糸と鈎とエサさえあれば魚は釣れます。それぐらい糸と鈎は大事なものです。鈎については選択さえすれば、あとはすることがありませんが、糸は釣り方仕掛け作りに深く関わっています。糸そのものについて深く知ることも大事ですし、糸を扱う技も覚えなくては釣果は望めません。あらゆる釣り具の中で、糸ほど重要なものはないと言い切ってもいいでしょう。今日はそんな糸の連結のお話です。
糸にはハリスと呼ばれる先糸と、ハリスに結んで使う道糸があります。ハリスと道糸の役割については、他の章でも詳しく扱っていますが、いずれせよこの二つは、連結して使わなければ、釣りができません。そこでこの章ではその連結方法について述べますが、その前に道糸をわざと使わない釣り方もあることを覚えておきましょう。
普通は、淡水でも海でもエサ釣りならば、道糸をまず結んでからハリスをその先に接続します。それぞれの役割については、他の章でも詳しく解説していますので、ここではざっと使い分けるメリットを上げてみましょう。
ハリスを短く取ったり、主流のフロロカーボン系ハリスを使うと、糸の伸びが期待できない。細い糸でも魚が釣れるのは竿だけでなく、糸が伸びることでタメが効くから〜道糸には通常よく伸びるナイロンが使われるので、多少の引きなら竿のタメと合わせて対応できる。大物を寄せてきてから足元でよくばらすのは、道糸を巻き取っているため糸の伸びが期待できず、竿のタメだけで魚をあしらわないといけないというのも大きな理由の一つ。
確かに道糸とハリスを使い分けるのが、合理的で理にかなった釣り人の知恵です。しかし世の中にはへそ曲がりな釣り人も多いのです(笑)例えば筏のかかり釣りではハリス道糸通しと呼ばれる糸使いが主流です。フロロカーボンのハリスを、そのままリールに巻いてやって使おうという考え方です。理由として…
糸と糸とをつなぐ結節部では、約3割程度強度が落ちると云われる。竿のタメが効かない短竿では細いハリスが使えず不利だ。
なぁるほど〜道糸を使わない方が、この釣りに合理的だと云うことがよく分りました。フロロカーボンハリスの唯一欠点とされていたリールへの馴染み(糸が固い)も、最近はソフト加工された筏専用品が発売されています。リールについても、よれやすい小型両軸リールは人気がなくなり、より糸馴染みのよい大口径黒鯛専用リールへ主流が移っています。
ということで、最近では波止でもハリス道糸通しという探り釣り師が増えてきたようです。探り釣りは、歩くかかり釣りと云えなくもありません。かくいう笑魚も一時、ハリスを両軸リールに巻いて使っていたことがあります。1.2号のハリスが1.5号ぐらいの感じで扱えます。根ズレ以外で切れる時は、まず鈎のチモトです。確かに強度的にはワンランクアップしましたが、いつしか使わなくなりました。その理由は…
空中の微妙な糸ふけでアタリをとったり、水面に浮かんだ糸の変化でアタリを取るというシビアな釣りには、糸そのものに高視認性、高浮力が求められる。ハリスだけではこういった技が駆使しにくく、釣りの幅が狭められてしまう。
やはり一般的には道糸とハリスは使い分けてやった方が合理的なようです。しかし人によってはお勧めできると思います。
探り釣り師の中には、仕掛けの結節部が少ないため、仕掛け強度が上がると云う魅力で、ハリス道糸通しを考えている方もおられると思います。これについてはよく考えた方がいいでしょう。仕掛けの強度というのは、結節部分云々だけではなく、竿から鈎先までのトータルなタックルバランス、結びの技術、取り込みの技術、普段の手入れ、品選びまで、総合して語るべきものです。
かかり釣りでハリス道糸通しがスタンダードになったのは、飛躍的な糸の品質向上や釣り具の進化があり、従来の考え方でいうところの道糸が不要になったからです。今一度、自分の釣りに道糸が必要か否かよく考えて下さい。浮力や感度という好みの点でいえば、ナイロン以外でもフロロカーボン道糸、フロロ系複合道糸、新素材道糸など嗜好に合わせた選択肢が可能です。
前置きが長くなってしまいました。では本題に入りましょう。長い釣りの歴史の中で、釣り人は糸と糸とを結ぶのに便利な、サルカン(英:スイベル)という賢いものを発明しました。みなさんが普段使っている両側にワッカがついた小さな金具です。サルカンには用途に合わせて色々なタイプのものがありますが、基本的には糸同志を連結するという以外に、金具が回転するように作られており、糸の撚りを取るという働きを持っています。ですから別名ヨリモドシとも云います。
つなぐだけなら直結でもいいですが、撚りをとることはサルカンでないとできません。サルカンを使うメリットを、細かく検証してみると…
糸に撚りが入るとエサが水中で回転する。釣り人の経験則から、回転するエサが食いが悪いとされ、撚りをとることができない直結では不利。
一見いいことづくめのサルカンも、人によっては嫌がる人もいます。主に磯でフカセ釣りをする人たちです。どこが気に入らないのでしょうか。
ウキフカセの基本は、ハリスを完全に水中でふかせる完全フカセである。サルカンがあると、ガン玉替わりになって仕掛けが屈折する。
確かに理屈に合っているようです。しかしサルカン派も反撃します。
仕掛けの屈折といっても小型サルカンなどたかがG7程度だし、実際の釣りではガン玉を打つことも多い。否定するのはナンセンス。
なるほどどちらにも得失があり一長一短ですね。円すいウキと完全フカセを駆使し、浅いタナから深いタナを縦横に攻める磯のウキフカセ釣りでは、直結に大きなメリットがあるということはよく分りました。ちなみに笑魚は状況で使い分けています。ご参考までに書いてみると…
サルカンにはストッパーとしての役割もあるサルカンには連結具としての役割でなく、ストッパーとしての役割もあります。ウキ釣りや探り釣りでよく使われる丸玉オモリは、するする動くようになっていますので、そのままだと鈎まで落ちてしまいます。いちいちゴムのストッパーを取り付けるのも大層ですがら、サルカンの上でオモリが止まるようにしてやり、あとは必要な長さの分だけハリスを付けてやるのが、簡単で賢いやり方です。
結論としては皆さんの釣り方に、よりマッチした連結方法を選べばいいということです。釣果そのものに大きな影響を及ぼすようなことはないでしょう。直結にせよサルカンにせよ、結びが下手なら比較することすらナンセンス〜結びを鍛えて下さい(^^)b
