アマチュア無線とは何か

アマチュア無線家のことをハム(HAM)と言います。ハムは昔からキンク・オブ・ホビー(KING OF HOBBY=趣味の王様)として親しまれてきました。ハムは年齢・性別・職業を問わずみな平等で、幼児から高齢者まで多くの仲間が世界中にいます。電波を通して偶然に出会った見知らぬ人々と気軽に話しをして友達になれる。このような体験はアマチュア無線でしか味わえないものです。

アマチュア無線とは「金銭上の利益のためではなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務をいう」と定められています。なんだか難しそうですが、要するに仕事や競技会・各種イベントなどの業務連絡には使用してはいけないということです。アマチュア無線の基本はあくまでも個人的な訓練・実験・研究です。それに人と人とのコミュニケーションが加わった科学的な趣味です。
アマチュア無線は自宅からだけではなく、モービル(車・船など)に無線機を積んで移動しながら交信することもできるし、携帯型のハンディ機を持ち歩いて街中や山の頂上などから交信することもできます。
また、電信(モールス信号)を使った古典的な通信の技をみがいたり、最先端のコンピュータやデジタル技術を用いたパケット通信、FAX、SSTV(画像)、ATV(アマチュアテレビ)等の文字・画像通信。人工衛星や月面反射を用いた宇宙通信などアマチュア無線といっても様々な楽しみ方があります。

アマチュア無線は皆が平等
アマチュア無線の世界では、年齢・性別・職業・国籍等によって差別されることはなく全く平等です。無線上では年齢や職業などについては聞かないのがマナーとなっています。だから同年代に限らず、老人と小学生が無線上で親しくなることもしばしばです。
相手が芸能人や政治家などの有名人であっても外国の国王であっても全く対等な立場で話しができるのです。
無線では必ずコールサイン(呼出符号)を言わなければならないので、それにより出所が明らかになるので発言には責任を持つことになります。だからインターネットのように匿名やニックネームで誹謗中傷や無責任な発言をされることは無いのです。

●災害に強い
地震・台風などの大規模災害や戦争・暴動などの騒乱時には一般電話も携帯電話も使用できない可能性が高いのです。電話が集中すればパンクしてしまいますし、中継アンテナや電話局などの設備に被害がおよべば電話機を持っていても通信することはできません。
その点アマチュア無線は中継アンテナや基地局を必要とせず、無線機同士で直接交信できるのです。だから災害時の通信手段としてもアマチュア無線は有効なのです。実際に阪神・淡路大震災では電話回線が壊滅状態の中でアマチュア無線が大活躍しました。


4級の無線従事者免許証は
国家試験か講習会のどちらかで取得する

アマチュア無線技士の資格
資格 操作範囲 免許取得の
方法
試験の
レベル
第1級
アマチュア無線技士
●すべてのアマチュアバンドで運用ができる。
●空中線電力は1KW(1000W)まで可能※
国家試験のみ
4・8・12月
理工系短大
第2級
アマチュア無線技士
●すべてのアマチュアバンドで運用ができる。
●空中線電力は200Wまで可能
国家試験のみ
4・8・12月
高校物理
第3級
アマチュア無線技士
●10MHz、14MHz帯の2バンドを除くアマチュアバンドが運用できる。
●空中線電力は50W以下
1、国家試験
2、講習会
中学理科
第4級
アマチュア無線技士
●1.9MHz、10MHz、14MHz、18MHz帯を除く
アマチュアバンドが運用できる。
●CW(モールス通信)はできない。
●空中線電力は20W(HFは10W)以下
1、国家試験
2、講習会
中学理科
 ※第1級の空中線電力は法的に上限は無いが、行政指導により容易に許可されるのは1KWまでとなっている

改正:平成16年1月13日施行

バンドプラン

使用区分に従った運用が、アマチュア無線を楽しむ第一歩です。
混信防止と周波数の有効活用のために使用区分に従って運用しましょう。

この区分図は、総務省の告示をもとにまとめたもので、用語の表記は一般的なものに改めてあります。
アマチュアバンド使用区分
2004年1月13日改正  
■狭帯域:電波の占有周波数帯幅が 6kHz以下のもの(AM,SSB系など)
■広帯域:電波の占有周波数帯幅が 6kHzを超えるもの(FM系など)
   
HF(短波)
▼1.9 MHz帯 ▼3.5/3.8 MHz帯
●狭帯域デジタルは、F1B, F1D, G1B, G1D に限る。
●3,747KHz〜3,754KHzの周波数は、A1A, H3E, J3E, R3E に限る。
-
▼7 MHz帯   ▼10 MHz帯
●狭帯域デジタルは、F1B, F1D, G1B, G1D に限る。
●7,030KHz〜7,045KHzの周波数は、外国のアマチュア局との狭帯域デジタル通信にも使用することができる。
-
▼14 MHz帯  ▼18 MHz帯
●狭帯域デジタルは、F1B, F1D, G1B, G1D に限る。
●14,100KHzの周波数は、JARLが国際的な標準信号(ビーコン)を送信する場合に限る。
●18,110KHzの周波数は、JARLが国際的な標準信号(ビーコン)を送信する場合に限る。
-
▼21 MHz帯  ▼24 MHz帯
●狭帯域デジタルは、F1B, F1D, G1B, G1D に限る。
●21,150KHzの周波数は、JARLが国際的な標準信号(ビーコン)を送信する場合に限る。
●24,930KHzの周波数は、JARLが国際的な標準信号(ビーコン)を送信する場合に限る。
-
▼28 MHz帯
●狭帯域デジタルは、F1B, F1D, G1B, G1D に限る。
●28.20MHzの周波数は、JARLが国際的な標準信号(ビーコン)を送信する場合に限る。
●29.00MHz〜29.30MHzの周波数は、外国のアマチュア局との狭帯域の電信・電話・画像及びCWによる通信にも使用することができる。
-
VHF(超短波)
▼50 MHz帯
●50.01MHzの周波数は、JARLが国際的な標準信号(ビーコン)を送信する場合に限る。
●50.00MHz〜50.10MHzの周波数は、外国のアマチュア局との狭帯域デジタル通信にも使用することができる。
●51.00MHz〜51.50MHzの周波数は、外国のアマチュア局との広帯域の電話・電信・画像及びCWによる通信にも使用することができる。
-
▼144 MHz帯
●144.02MHz〜144.10MHzの周波数は、月面反射通信にも使用できる。この場合の電波の占有周波数帯幅の許容値は 6kHz 以下のものに限る。
●144.30MHz〜144.50MHzの周波数は、国際宇宙ステーションとの交信に限って広帯域の電話,電信及び画像通信にも使用することができる。
  
UHF(極超短波)
▼430 MHz帯
  
▼1200 MHz帯
●「高速デジタル」は占有周波数帯幅が 9MHz 以上のものに限る
  
▼2400 MHz帯
●「高速デジタル」は占有周波数帯幅が 9MHz 以上のものに限る
  
SHF(マイクロ波)
▼5600 MHz帯
●「高速デジタル」は占有周波数帯幅が 9MHz 以上のものに限る
  
▼10.1/10.4 GHz帯
●「高速デジタル」は占有周波数帯幅が 9MHz 以上のものに限る。
●10.450〜10.500 GHz の周波数帯は、衛星通信及び月面反射通信にも使用することができる。

「この使用区分に違反して運用した場合は、電波法に基づき無線局の運用停止などの行政処分の対象となります」

使用区分の見方
使用区分の用語 用語の解説
CW モールス符号によりキャリアを断続して行う無線電信
狭帯域の電話 振幅変調の送信機(SSB送信機など)を使った電話通信。
AM、SSBなどがこれに該当します。
狭帯域の電信 AMモードでマイク端子に「キー」などで断続した可聴周波数のモールス符号を入力して行う電信がこれに該当します。
狭帯域の画像 SSBモードによる画像通信。
SSTVやFAXなどがこれに該当します。
広帯域の電話 FMモードによる電話通信。
広帯域の電信 FMモードでマイク端子に「キー」などで断続した可聴周波数のモールス符号を入力して行う電信がこれに該当します。
広帯域の画像 FMモードによる画像通信。
SSTVやFAXなどがこれに該当します。
狭帯域デジタル 占有周波数帯域が3KHz以下のデジタル通信。
通常HF帯で行われているRTTYやパケット通信などがこれに該当します。
広帯域デジタル 占有周波数帯域が3KHzを超えるデジタル通信(電話、TV、FAXなどを除きます)。通常VHF帯以上で行われているパケット通信などがこれに該当します。
ATV テレビジョン通信(SSTVを除く)
衛星 人工衛星を利用して行う通信
EME 月面反射通信
レピータ 中継用無線局(レピータ)を通じて行う通信
ビーコン 標識信号を送信する区分
全電波型式 実験・研究用  実験や研究を優先する区分 

「運用モード別」周波数区分の運用ガイドライン
FM電話の運用
ハンディ機やモービル機などのFMトランシーバーでマイクロホンを使って交信する「FM電話」の運用は、「広帯域の電話」の区分内で行います。
レピータを利用した「FM電話」の運用は、レピータの区分で行います。
SSBの運用
SSBトランシーバを使ってSSBモードを運用する場合は「狭帯域の電話」の区分で行います。
CWの運用
キー(電鍵)などでキャリアを断続してモールス符号を送信する電信(CW)の運用は、「CW]の区分内で行います。
なお、AMモードで可聴周波数(例:800Hzのシングルトーンなど)で変調した電信は、「狭帯域の電信」の区分内、FMモードで同様の方法で運用する場合は、「広帯域の電信」の区分内で行います。
RTTYの運用
RTTY(AMTORやPACTORなどを含む)の運用は、「狭帯域デジタル」の区分内で行います。
なお、14,21,28MHz帯での運用は、原則として次の範囲とします。
14MHz帯  14,070KHz―14,100KHz
21MHz帯  21,070KHz―21,100KHz
28MHz帯  28.07MHz―28.10MHzHz
29MHz以上の周波数で、FMトランシーバーを使ってAFSKでRTTY通信を行う場合は、「広帯域デジタル」の区分で運用してください。
SSTV,FAXの運用
SSBトランシーバを使ってSSTVやFAXを運用する場合は、「狭帯域の画像」の区分内で行います。また、FMトランシーバを使って運用する場合は、「広帯域の画像」の区分内で行います。
29.0MHz以上でのパケット通信の運用
●FMモード(FMトランシーバ)を使ったパケット通信は、「広帯域デジタル」の区分内で行います。9600ボーなどの高速パケット通信もこの区分内で行います。
●SSBモード(SSBトランシーバ)を使ったパケット通信は、「狭帯域デジタル」の区分内で行います。
29.0MHz未満でのパケット通信の運用
SSBトランシーバを使って行う29.0MHz未満の周波数でのパケット通信は、「狭帯域デジタル」の区分内で運用します。
なお、14,21,28MHz帯での運用は、原則として次の範囲とします。
14MHz帯  14,100KHz―14,112KHz
21MHz帯  21,100KHz―21,125KHz
28MHz帯  28.10MHz―28.15MHzHz
全電波型式の区分での運用
全電波型式は、実験・研究用で、新しい通信方式の実験や研究を優先する区分です。
また、専用の区分を持たない電波の型式(例えば、パルス通信やデジタル電話など)による通信や異なる電波の型式での交信(クロスモード通信)などに使用するための区分です。
非常通信の運用
JARLでは非常通信周波数を設定していますので、万一災害などが発生し、非常通信や人命の救助ための通信を行うときは、この周波数を使用してください。ただし、状況によって他の周波数が適当な場合は、その周波数を使用してください。
なお、51MHz、145MHz、433MHz、1295MHzの周波数は呼出周波数と共用していますから、非常通信の連絡が設定されたあとは、他の周波数に移って行うようにしてください。

VHF(超短波)帯

50MHz帯<50MHz〜54MHz>
普段の運用者は少ないですが、昔はアマチュア無線の入門バンドでした。現在も根強い人気があります。通常は見通し距離による交信が中心でFMラジオに似た特徴があります。太陽活動が活発(約11年周期)になると地球の裏側との交信も可能となる場合があります。毎年春から夏にかけて頻繁に発生するEスポによる遠距離交信が盛んに行われています。またメテオスキャッター(流星散乱)や赤道横断伝搬などの異常伝搬が最も発生しやすいバンドとしても人気があります。バンド幅も広く、昔のAMモードによる交信も残っていますし、FMモードによる遠距離交信も可能です。運用者のマナーもよく、古き良き時代の雰囲気が残っている唯一のバンドです。1波長は6mと短く、アンテナ設置も容易です。
TVI(テレビ受信障害)を発生させやすいバンドとして敬遠する人がいるのも事実ですが、最近の無線機は性能が良いので、十分に調整した設備であればほとんど問題はありません。

144MHz帯<144MHz〜146MHz>
現在の入門バンドでもあり、FMモードを中心に利用者が最も多い。SSBモードでは熱心な運用者が多い。Eスポによる遠距離交信も可能だが発生頻度は非常に少ない。見通し距離による実用的なバンドである。1波長は2mで小型アンテナでOK、無線機の種類も多く安価なのでFMモービル局が非常に多い。そのため免許を持たない不法局が最も多いバンドでもある。昼間はほとんど不法モービル局に占領されており、夜間や休日にアマチュア無線家が出てくる。都市部では大変混雑しており、マナーの悪さに閉口するバンドでもある。

UHF(極超短波)帯

430MHz帯<430MHz〜440MHz>
地方では運用者が少ないが、都市部(1・2・3エリア)では入門バンドとなっており利用者も多い。周波数帯が広いので、144MHz帯の混雑から逃れてきた利用者も多い。見通し距離(50Km程度)による交信が基本です。ダクト現象による遠距離交信(1000Km以上)も報告されていますが、非常に稀です。友人とのラグチューなどのんびりとした交信か可能です。それでも都市部では混雑しており、不法モービル局や仕事の業務連絡をする不届き者も多くいます。利用者が多いのでいたずらや妨害をされることもありますが、144MHz帯に比べればマナーは良い方です。
1波長は70cmなので小型アンテナや利得の高いアンテナの設置が容易です。無線機の種類も多く安価(144MHz帯と組み合わさった無線機が主流)です。144MHzと組み合わせて衛星通信が楽しめます。
また、全国各地に設置されたレピータ(中継局)も利用できます。

電波型式(モード)

電波には様々な電波型式があり、それぞれ異なった特徴があります。アマチュア以外の業務無線では周波数と共に電波型式も決められていますが、アマチュア無線では自由に選択することができます。さらに電波法に無い新しい電波型式の実験をすることもできます。
多くのモードに挑戦するのもよいし、興味があるモードを重点的に研究・運用するのもよいでしょう。

CW (Continuous Wave
最も古典的な無線通信で、“ツートツーツー”というモールス信号による通信方法(電信)です。長点「−、ツー」と短点「・、ト」を組み合わせて一つの文字や符号を表します。欧文モールスの他に日本には和文モールスもあります。モールスには世界共通のQ符号や略号があり、それにより英語が解からなくても世界中と容易にコミュニケーションをとることができます。
占有周波数の幅も500Hzと小さいので、他のモードより電波が効率よく飛び、遠距離通信に適しています。
船舶無線では一般的な通信方法でしたが、衛星通信の普及により業務での使用は殆んどなくなり、今ではアマチュア無線でのみ盛んに行われています。
運用には、符号を打つ「電鍵(キー)」が必要です。また運用資格として、第3級アマチュア無線技士以上が必要です。免許申請の電波型式は「A1A」となります。
AM (Amplitude Modulation)
AMラジオと同じ電波です。振幅変調といって音声の強弱で搬送波の強弱(振幅)を変化させる変調方式です。要するに、大声を出せば振幅も大きくなるような感じと思えばよいでしょう。
微弱な電波でも受信しやすく、かつ混信があっても目的の電波を聞き分けることも可能という特徴があり、航空無線で多く利用されています。アマチュア無線では昔は主流でしたが、今では殆んど使われません。50MHz帯では、現在でも愛好者が運用しています。占有周波数の幅は6kHzです。免許申請の電波型式は「A3E」となります。


SSB (Single Side Band)
一般に「サイドバンド」と呼ばれ、現在のアマチュア無線では主流となっている電波型式です。AM電波から片方の単側波を取り除いた電波です。さらにAMやFMのような搬送波(キャリア)成分が無く、しゃべった時だけ電波が発射されるので、省電力にもなります。音声通信のなかでは、微弱な電波でも遠くへ飛ぶ最も効率のよい電波型式です。占有周波数の幅はAMの半分の3KHzと狭いので、効率がよい反面、僅かな周波数のずれでも聞き取りにくい信号となるので、常に微調整が必要です。よって、運用には少々慣れが必要です。
また片方のどちらを利用するかで、上側波(USB)と下側波(LSB)の2つがあります。7MHz帯以下ではLSBモード、10MHz帯以上ではUSBモードを利用するのが慣例となっています。免許申請の電波型式は「J3E」となります。

FM (Frequency Modulation)
周波数変調という方式で、FMラジオと同じ電波です。ハンディ機やモービル型無線機の殆んどがFM専用機であるように、無線通信では最も馴染みのある電波型式でしょう。ノイズに強くて音質が良いので安定した運用ができるのが特徴です。しかし、混信等で弱い電波と強い電波がぶつかってしまった場合、弱い電波は潰されてしまい全く聞き取れなくなります。その特徴から、弱肉強食のモードともいわれています。占有周波数の幅は約16KHzと非常に広いので電力は多く使用し、決して効率のよい電波ではありません。よってSSBに比べて遠くへは飛びません。電波の幅が広いので、29MHz帯以上の周波数しか許可されませんが、VHFやUHF帯では盛んに利用されています。
とにかく音質が綺麗で安定していますので、モービル運用や仲間とのラグチューに適しています。免許申請の電波型式は「F3E」となります。
以上が主な電波型式ですが、さらに付属装置をつけるなどして様々な型式があります。

パケット通信 (Packet)
パケットとは小包のことで、情報を小包のようにひとまとめにして送る通信方式です。この通信にはコンピュータを利用してデータのやり取りを行います。要するに、パソコン通信の無線版ということです。パソコン通信の電話線の部分が無線になるわけです。用意するものは、無線機とパソコンとTNC(モデムのようなもの)です。パソコンに繋いだTNCを無線機の専用端子またはマイク端子に接続して通信します。パケット通信はHFのSSBでも可能ですが、V・UHF帯のFMが主流です。無線機はFMハンディ機でも十分ですので、簡単な設備でできるデジタル通信です。免許申請の電波型式は変調方式等により「F1D(FSK)、G1D(PSK)、F2D」となります。

RTTY (Radio Teletype)
そのまま「アール ティー ティー ワイ」と読みます。いわゆるラジオテレタイプといわれ、タイプライタで打たれた文字を符号に変換し電気信号として無線で伝送する文字通信です。現在はタイプライタの代わりにパソコンを利用するのが一般的になってきています。インターネットでいえば、チャットと同じようなものです。アマチュア無線では、インターネットが普及する数十年前からチャットのようなことをやっていたわけです。免許申請の電波型式は「F1B」となります。

PSK31 (Phase Shift Keying)
最近、英国のG3PLXによって提唱された文字通信方式で、RTTYが進化した新しい型式の文字通信です。RTTYで伝送できるのは英数字のみですが、この方式はASCIIコードのすべてが使えるため漢字等の文字も伝送可能です。通信速度は31.25ボーと低速ですが、キーボードの手動入力を考えると丁度良い速さです。占有周波数帯幅が31Hzと非常に狭いので、効率よく遠距離通信ができます。
サウンドボード内蔵のパソコンと簡単なインターフェース、それにPSK31用のソフト(フリーソフトが幾つかある)で運用できます。免許申請の電波型式は「G1B」となります。

アマチュアファックス (Amateur FAX)
ファクシミリ装置で、家庭や会社で一般的に利用されているFAXと同じ画像通信ですが、電話線ではなく電波で情報をやり取りするわけです。アマチュアFAXとしての利用者はあまりいないようです。
HF帯ではSSBモード、VHF・UHF帯ではFMモードで利用されます。免許申請の電波型式はいずれの場合も「F3C」となります。


SSTV (Slow Scan Television)
低速度走査テレビジョン、つまり静止画像通信です。通常のテレビの1画面は1/30秒で表示されますが、SSTVでは1画面を36秒から188秒というゆっくり時間をかけてカラー画像を表示するので静止画しか送れません。しかし、占有周波数幅がSSBと同じ3KHzと狭いのでHF帯でも運用可能です。
以前は、無線機の他にスキャンコンバーター、ビデオカメラ、モニター用TVを使用していましたが、現在はサウンドボード内蔵パソコンとソフトウェア(フリーソフトがある)で運用する人が増えています。その場合の画像は、パソコンで作成・処理したものが伝送できますのでたいへん便利です。
HF帯ではSSBモード、29MHz帯以上ではFMモードでも可能です。免許申請の電波型式はいずれの場合も「F3F」となります。


ATV (Amateur Television)
アマチュアテレビで、文字通り放送局と同じようなテレビの送受信がアマチュア無線で楽しめるのです。しかも、放送局のような高度な機材は必要ありません。ATVに対応した無線機にATV装置(内蔵された無線機もある)を付けて、カメラは家庭用のハンディビデオカメラ、受信TVも家庭用でOKです。音声も同時に入れてリアルタイムの生放送もできるし、編集したものを送信することもできます。
周波数の幅が4.5MHzと非常に広いので、運用は1200MHz帯以上のバンドになります。免許申請の電波型式は「A3F」、副搬送波で音声を同時に送出する場合は「A8W」となります。


EME (Earth Moon Earth)
アース・ムーン・アース (月面反射通信)で、VHF帯以上の電波を使用し、月に向けて電波を発射し、月面で反射して戻ってきた電波をキャッチする遠距離通信です。VHF以上の電波は電離層を突き抜けて宇宙空間に放出されるので、通常は見通し距離の通信となります。それを月面で反射させることによって、直接届かない地域と交信可能となるわけです。月までの距離は約38万kmもあり、さらに跳ね返ってきた電波は減衰が激しく微弱な電波となります。それを正確にキャッチしなければならないので、許可される最大の出力および高度な無線設備と知識・技術が必要です。
  

電波型式の新表示

コールサインのしくみ

プリフィックス サフィックス
   
国際字列 エリア
JA ABC
コールサインはプリフィックスサフィックスに分けられます。

プリフィックス
プリフィックス[Prefix]は国際電気通信連合(ITU)が定める国際呼出符号字列分配表に基づいて国や地域に割り当てられています。
日本の割り当て字列はJA〜JS、7J〜7N、8J〜8Nです。
JA・JH・JR・JE・JF・JG・JI・JJ・JK・JL・JM・JN・JO・JP・JQ・JSの順に割り当てられます。
また、7Jは外国人※、8Jは特別記念局、JDは小笠原に割り当てられます。JBとJCはアマチュアには使用されていません。
(※現在は在日外国人にも日本人と同じコールサインが割り当てられるケースが多くなっています。)
関東地方のみに、7K・7L・7M・7N
が割り当てられています。
国際字列の次の数字は地域を表すエリアナンバー(地域番号)です。日本の場合は、各地方総合通信局の管轄地域を表しています。
日本のエリアナンバー
地域番号 総合通信局 管轄都道府県 
関東 東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨
東海 愛知、静岡、岐阜、三重
近畿 大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山
中国 岡山、広島、山口、鳥取、島根
四国 香川、愛媛、高知、徳島
九州
沖縄※
福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
沖縄 (JR6,JS6)
東北 宮城、福島、岩手、青森、秋田、山形
北海道 北海道
北陸 石川、福井、富山
信越 長野、新潟
※沖縄総合通信事務所でJR6とJS6が割当てられる。


例外として
7K〜7N1〜4の数字が割り当てられていますが、これらはエリアに関係なく、すべて関東(1エリア)のものです。
また、
JR6(JR6QUA 以降)とJS6は沖縄に割り当てられます。
この国際分配字列とエリアナンバーを合わせたものをプリフィックスと呼びます。
サフィックス
サフィックス[Suffix]はローマ字(A〜Z)の組合せで、AAA・AAB・AAC・・・・というようにアルファベット順に割り当てられます。
このローマ字の1番目をトップレター(ファーストレター)、2番目をミドルレター(セカンドレター)、3番目をラストレター(テールレター)とも言います。
トップレターが
ではじまるのはクラブ局(社団局)です。
よって
個人局にはAAA〜XZZ社団局にはYAA〜ZZZが割り当てられます。またJAの古い個人局にはAA〜ZZのサフィックスが2文字の局も存在します。

これら、プリフィックスとサフィックスを合わせたものがコールサイン(呼出符号)です
関東、東海、近畿、九州ではコールサインが不足になり、閉局したものを再割り当てしています。


世界のコールサイン

AAA―ALZ アメリカ合衆国
AMA―AOZ スペイン
APA―ASZ パキスタン
ATA―AWZ インド
AXA―AXZ オーストラリア
AYA―AZZ アルゼンチン
A2A―A2Z ボツワナ
A3A―A3Z トンガ
A4A―A4Z オマーン
A5A―A5Z ブータン
A6A―A6Z アラブ首長国
A7A―A7Z カタール
A8A―A8Z リベリア
A9A―A9Z バーレーン

BAA―BZZ 中国

CAA―CEZ チリ
CFA―CKZ カナダ
CLA―CMZ キューバ
CNA―CNZ モロッコ
COA―COZ キューバ
CPA―CPZ ボリビア
CQA―CUZ ポルトガル
CVA―CXZ ウルグアイ
CYA―CZZ カナダ
C2A―C2Z ナウル
C3A―C3Z アンドラ
C4A―C4Z キプロス
C5A―C5Z ガンビア
C6A―C6Z バハマ
C7A―C7Z

      世界気象機関 (WMO)
C8A―C9Z モザンビーク

DAA―DRZ ドイツ
DSA―DTZ 大韓民国
DUA―DZZ フィリピン
D2A―D3Z アンゴラ
D4A―D4Z カーボベルデ
D5A―D5Z リベリア
D6A―D6Z コモロ
D7A―D9Z 大韓民国

EAA―EHZ スペイン
EIA―EJZ アイルランド
EKA―EKZ アルメニア
ELA―ELZ リベリア
EMA―EOZ ウクライナ
EPA―EQZ イラン
ERA―ERZ モルドバ
ESA―ESZ エストニア
ETA―ETZ エチオピア
EUA―EWZ ベラルーシ
EXA―EXZ ロシア
EYA―EYZ タジキスタン
EZA―EZZ 
トルクメニスタン
E2A―E2Z タイ

FAA―FZZ フランス

GAA―GZZ 英国

HAA―HAZ ハンガリー
HBA―HBZ スイス
HCA―HDZ エクアドル
HEA―HEZ スイス
HFA―HFZ ポーランド
HGA―HGZ ハンガリー
HHA―HHZ ハイチ
HIA―HIZ ドミニカ
HJA―HKZ コロンビア
HLA―HLZ 大韓民国
HMA―HMZ 北朝鮮
HNA―HNZ イラク
HOA―HPZ パナマ
HQA―HRZ ホンジュラス
HSA―HSZ タイ
HTA―HTZ ニカラグア
HUA―HUZ 
エルサルバドル
HVAーHVZ バチカン
HWA―HYZ フランス
HZA―HZZ 
サウジアラビア
H2A―H2Z キプロス
H3A―H3Z パナマ
H4A―H4Z ソロモン
H6A―H7Z ニカラグア
H8A―H9Z パナマ

IAA―IZZ イタリア

JAA―JSZ 日本
JTA―JVZ モンゴル
JWA―JXZ ノルウェー
JYA―JYZ ヨルダン
JZA―JZZ インドネシア
J2A―J2Z ジブチ
J3A―J3Z グレナダ
J4A―J4Z ギリシャ
J5A―J5Z ギニアビサウ
J6A―J6Z セントルシア
J7A―J7Z ドミニカ
J8A―J8Z
 セントビンセント

KAA―KZZ アメリカ合衆国
LAA―LNZ ノルウェー

LOA―LWZ アルゼンチン
LXA―LXZ 
ルクセンブルグ
LYA―LYZ リトアニア
LZA―LZZ ブルガリア
L2A―L9Z アルゼンチン
MAA―MZZ 英国

NAA―NZZ 
アメリカ合衆国

OAA―OCA ペルー
ODA―ODZ レバノン
OEA―OEZ 
オーストラリア
OFA―OJZ フィンランド
OKA―OLZ チェコ
OMA―OMZ スロバキア
ONA―OTZ ベルギー
OUA―OZZ デンマーク

PAA―PIZ オランダ
PJA―PJZ 
アンティルス(オ
PKA―POZ インドネシア
PPA―PYZ ブラジル
PZA―PZZ スリナム
P2A―P2Z 
パプアニューギニア
P3A−P3Z キプロス
P4A―P4Z アルバ
P5A―P9Z 北朝鮮

RAA―RZZ ロシア

SAA―SMZ スウェーデン
SNA―SRZ ポーランド
SSA―SSM エジプト
SSN―STZ スーダン
SUA―SUZ エジプト
SVA―SZZ ギリシャ
S2A―S3Z 
バングラデシュ
S5A―S5Z スロベニア
S6A―S6Z シンガポール
S7A―S7Z セイシェル
S9A―S9Z 
サントメ・プリンシペ

TAA―TCZ トルコ
TDA―TDZ グァテマラ
TEA―TEZ コスタリカ
TFA―TFZ アイスランド
TGA―TGZ グァテマラ
THA―THZ フランス
TIA―TIZ コスタリカ
TJA―TJZ カメルーン
TKA―TKZ フランス
TLA―TLZ 中央アフリカ
TMA―TMZ フランス
TNA―TNZ コンゴ
TOA―TQZ フランス
TRA―TRZ ガボン
TSA―TSZ チュニジア
TTA―TTZ チャド
TUA―TUZ 
コートジボアール
TVA―TXZ フランス
TYA―TYZ ベナン
TZA―TZZ マリ
T2A―T2Z ツバル
T3A―T3Z キリバス
T4A―T4Z キューバ
T5A―T5Z ソマリア
T6A―T6Z アフガニスタン
T7A―T7Z サンマリノ
T9A―T9Z
 
    ボスニア・ヘルツェコビナ

UAA―UIZ ロシア
UJA―UMZ 
ウズベキスタン
UNA―UQZ ロシア
URA−UTZ ウクライナ
UUA―UZZ ウクライナ

VAA―VGZ カナダ
VHA―VNZ 
オーストラリア
VOA―VOZ カナダ
VPA―VSZ 英国
VTA―VWZ インド
VXA―VYZ カナダ
VZA―VZZ 
オーストラリア
V2A―V2Z アンチグア
V3A―V3Z ベリーズ
V4A―V4Z
セントクリストファーネイビス
V5A―V5Z ナミビア
V6A―V6Z ミクロネシア
V7A―V7Z 
マーシャル諸島
V8A―V8Z ブルネイ

WAA―WZZ 
アメリカ合衆国

XAA―XIZ メキシコ
XJA―XOZ カナダ
XPA―XPZ デンマーク
XQA―XRZ チリ
XSA―XSZ 中国
XTA―XTZ 
ブルキナファソ
XUA―XUZ カンボジア
XVA―XVZ ベトナム
XWA―XWZ ラオス
XXA―XXZ ポルトガル
XYA―XZZ ミャンマー

YAA―YAZ 
アフガニスタン
YBA―YHZ インドネシア
YIA―YIZ イラク
YJA―YJZ バヌアツ
YKA―YKZ シリア
YLA―YLZ ラトビア
YMA―YMZ トルコ
YNA―YNZ ニカラグア
YOA―YRZ ルーマニア
YSA―YSZ 
エルサルバドル
YTA―YUZ ユーゴスラビア
YVA―YYZ ベネズエラ
YZA―YZZ 
ユーゴスラビア
Y2A―Y9A ドイツ

ZAA―ZAZ アルバニア
ZBA―ZJZ 英国海外領土
ZKA―ZMZ 
ニュージーランド
ZNA―ZOZ 英国海外領土
ZPA―ZPZ パラグァイ
ZQA―ZQZ 英国海外領土
ZRA―ZUZ 南アフリカ
ZVA−ZZZ ブラジル
Z2A―Z2Z ジンバブエ
Z3A―Z3Z 
マケドニア旧ユーゴ

2AA―2ZZ 英国海外領土

3AA―3AZ モナコ
3BA―3BZ モーリシャス
3CA―3CZ 赤道ギニア
3DA―3DM スワジランド
3DN―3DZ フィージー
3EA―3FZ パナマ
3GA―3GZ チリ
3HA―3UZ 中国
3VA―3VZ チュニジア
3WA―3WZ ベトナム
3XA―3XZ ギニア
3YA−3YZ ノルウェー
3ZA―3ZZ ポーランド

4AA―4CZ メキシコ
4DA―4IZ フィリピン
4JA―4KZ 
アゼルバイジャン
4LA―4LZ グルジア
4MA―4MZ ベネズエラ
4NA―4OZ 
ユーゴスラビア
4PA―4SZ スリランカ
4TA―4TZ ペルー
4UA―4UZ 
国際連合 (UN)
4VA―4VZ ハイチ
4WA―4WZ イエメン
4XA―4XZイスラエル
4YA−4YZ 
国際民間航空機構
4ZA―4ZZ イスラエル

5AA―5AZ リビア
5BA―5BZ キプロス
5CA―5CZ モロッコ
5HA―5IZ タンザニア
5JA―5KA コロンビア
5LA―5MZ リベリア
5NA―5OZ ナイジェリア
5PA―5QZ デンマーク
5RA―5SZ マダガスカル
5TA―5TZ モーリタニア
5UA―5UZ ニジェール
5VA―5VZ トーゴ
5WA―5WZ 西サモア
5XA―5XZ ウガンダ
5YA―5ZZ ケニア

6AA―6BZ エジプト
6CA―6CZ シリア
6DA―6JZ メキシコ
6KA―6NZ 大韓民国
6OA―6OZ ソマリア
6PA―6SZ パキスタン
6TA―6UZ スーダン
6VA―6WZ セネガル
6XA―6XZ マダガスカル
6YA―6YZ ジャマイカ
6ZA―6ZZ リベリア

7AA―7IZ インドネシア
7JA―7NZ 日本
7OA―7OZ イエメン
7PA―7PZ レソト
7QA―7QZ マラウィ
7RA―7RZ アリジェリア
7SA―7SZ スウェーデン
7TA―7YZ アルジェリア
7ZA―7ZZ 
サウジアラビア

8AA―8IZ インドネシア
8JA―8NZ 日本
8OA―8OZ ボツワナ
8PA―8PZ バルバドス
8QA―8QZ モルディヴ
8RA―8RZ ガイアナ
8SA―8SZ スウェーデン
8TA―8YZ インド
8ZA―8ZZ 
サウジアラビア

9AA―9AZ クロアチア
9BA―9BZ イラン
9EA―9FZ エチオピア
9GA―9GZ ガーナ
9HA―9HZ マルタ
9IA―9JZ ザンビア
9KA―9KZ クウェート
9LA―9LZ シエラレオネ
9MA―9MZ マレーシア
9NA―9NZ ネパール
9OA―9TZ ザイール
9UA―9UZ ブルンジ
9VA―9VZ シンガポール
9WA―9WZ マレーシア
9XA―9XZ ルワンダ
9YA−9ZZ
 トリニダード・ドバコ


フォネティック・コード
欧文・和文通話表

 混信や電波状態が悪い中での交信では文字を聞き取りにくい場合があります。特に「BとD」、「IとY]、「MとN」、「TとP」など。発音が悪くても分りませんし、逆に正しい発音をされると英語圏以外の人は聞き取れません。そこで下記のような世界共通のフォネティックコード(通話表)を使用すれば正確に伝送できるのです。
船舶と航空無線以外では慣用のものを使っても違反ではなく、正規のコードの使用が望ましいということです。
欧文通話表
運用規則(別表5)による正式なもの その他よく聞く慣用のもの
文字 使用する語 発音 語句(カタカナ発音)
A ALFA アルファ AL FAH America (アメリカ)、 Able(エイブル)
B BRAVO ブラボー BRAH VOH Boston (ボストン)、 Baker (ベーカー)
C CHARLIE チャーリー CHAR LEE Colombia (コロンビア)、 Canada (カナダ)
D DELTA デルタ DELL TAH Denmark (デンマーク)
E ECHO エコー ECK OH Edward (エドワード)
F FOXTROT フォックストロット FOKS TROT Florida (フロリダ)、 France (フランス)
G GOLF ゴルフ GOLF Germany (ジャーマニー)
H HOTEL ホテル HOHTELL Hawaii (ハワイ)、Honolulu (ホノルル)、Henry (ヘンリー)
I INDIA インディア IN DEE AH Italy (イタリー)
J JULIETT ジュリエット JEW LEE ETT Japan (ジャパン)、Jack (ジャック)
K KILO キロ KEY LOH Kentucky(ケンタッキー)、King (キング)
L LIMA リマ LEE MAH London (ロンドン)
M MIKE マイク MIKE Mexico (メキシコ)、Mary (メリー、メアリー)
N NOVEMBER ノベンバー NOVEN BER Nancy (ナンシー)、Norway (ノルウェー)
O OSCAR オスカー OSS CAH Ocean (オーシャン)、Ontario (オンタリオ)
P PAPA パパ PAH PAH Peter (ピーター)、 Portugal (ポーチカル) ?
Q QUEBEC ケベック KEH BECK Queen (クィーン)
R ROMEO ロメオ ROW ME OH Radio (レィディオ)、 Robert (ロバート)
S SIERRA シエラ SEE AIR RAH Spain(スペイン)、Suger (シュガー)、Santiago(サンチャゴ)
T TANGO タンゴ TANG GO Tokyo (トーキョー)
U UNIFORM ユニフォーム YOU NEE FORM Uncle (アンクル)
V VICTOR ビクター VIK TAH Victory (ビクトリー)
W WHISKEY ウィスキー WISS KEY Washington (ワシントン)
X X-RAY エクスレイ ECKS RAY -
Y YANKEE ヤンキー YANG KEY Yokohama (ヨコハマ)、 Yoke (ヨーク)
Z ZULU ズール ZOO LOO Zebra (セブラ)、 Zanzibar (ザンジバル)

ラテンアルファベットによる英語式の発音の表示において、下線を付してある部分は語勢の強いことを示す。


使用方法は 例えばABC・・・と伝えたい場合、通常は alfa bravo charlie・・・といいます。
会話的に 「AはalfaのA 」 のようにいう場合は [ A for alfa ] 又は [ A as in alfa ] が一般的です。

 カタカナ表記は正確ではありませんが発音の注意点は・・・
●J をジュリエイトと発音すると 「J8」 と間違える可能性があります。
●K を「キロワット」というと 「KW」 と間違えます。
●F を「フォクス」と略すと「狐」になります。昔はFOXというフォネティクスもありましたが、「フォックストロット」は社交ダンスの名称ですので略さずに!
●P を「ポーチカル」という人がいますが意味不明です。似た発音を辞書で調べましたが、恐らくポルトガルを指すポージュガル(Portugal)でしょうか?奇妙な語句は使わないように!
●X を「クリスマス」とか「クリスタル」というと 「C」 なのか略記の 「X'」 なのか分かりませんので不適当です。
●英語が苦手な人(ローマ字読みしかできない人)に対して「C」を「カナダ」というと「K」と間違える可能性があります。同様にコロンビアをK、ジャーマニーをJ、アンクルをA、エイブルをEと捉えてしまうことも考えられます。


和文通話表
文  字
 朝日のア  いろはのイ  上野のウ  英語のエ  大阪のオ
 為替のカ  切手のキ  クラブのク  景色のケ  子供のコ
 桜のサ  新聞のシ  すずめのス  世界のセ  そろばんのソ
 煙草のタ  ちどりのチ  つるかめのツ  手紙のテ  東京のト
 名古屋のナ  日本のニ  沼津のヌ  ねずみのネ  野原のノ
 はがきのハ  飛行機のヒ  富士山のフ  平和のヘ  保険のホ
 マッチのマ  三笠のミ  無線のム  明治のメ  もみじのモ
 大和のヤ    弓矢のユ    吉野のヨ
 ラジオのラ  りんごのリ  るすいのル  れんげのレ  ローマのロ
 わらびのワ  ゐどのヰ    かぎのあるヱ  尾張のヲ
 おしまいのン   濁点   半濁点    
数  字
一 数字のひと 二 数字のに 三 数字のさん  数字のよん  数字のご
 数字のろく  数字のなな  数字のはち  数字のきゅう  数字のまる
記  号
 ー 長音  、 区切点  」 段落  ( 下向括弧  ) 上向括弧
 <使用例>
●「ア」は、「朝日のア」と送る。「1」は、「数字のひと」と送る。
●「バ」又は「パ」は「はがきのハに濁点」又は「はがきのハに半濁点」と送る。
●数字を送信する場合には、誤りを生ずるおそれがないと認めるとき、通常の発音による(例 「1500」は、「せんごひゃく」とする.)か又は「数字の」の語を省略する(例 「1500」は、「ひとごまるまる」とする.)ことができる。



モールス・コード

欧文・モールス符号表
・− N −・  . 終点 ・−・−・−
−・・・ O −−−  , 小読点 −−・・−−
−・−・ P ・−−・  :重点又は除法の記号 −−−・・・
−・・ Q −−・−  ? 問符 ・・−−・・
E R ・−・  ’ 略符 ・−−−−・
F ・・−・ S ・・・  − 横線又は減算 −・・・・−
G −−・ T  ( 左括弧 −・−−・
H ・・・・ U ・・−  ) 右括弧 −・−−・−
I ・・ V ・・・−  / 斜線又は除法 −・・−・
J ・−−− W ・−−  = 二重線 −・・・−
K −・− X −・・−  + 十字符号又は加算 ・−・−・
L ・−・・ Y −・−−  “ ” 引用符 ・−・・−・
M −− Z −−・・  × 乗算の記号 −・・−
   @ 単価記号 アットマーク ・−−・−・
数字(和文も同じ) 数字の略体
・−−−− −・・・・ ・− −・・・・
・・−−− −−・・・ ・・− −・・・
・・・−− −−−・・ ・・・− −・・
・・・・− −−−−・ ・・・・− −・
・・・・・ −−−−− ・・・・・
 
和文・モールス符号表
・− −−− −−−−  濁点
・・
・−・− −−−・ −・−−−
−・・・ ・−−・ ・−・−−  半濁点
・・−−・
−・−・ −−・− −−・−−
−・・ ・−・ −・−・−  長音
・−−・−
・・・ −・−・・
・・−・・ −・・−−  区切点
・−・−・−
・・−・ ・・− −・・・−
−−・ ・−・・− ・・−・−  段落
・−・−・・
・・・・ ・・−− −−・−・
−・−−・ ・−・・・ ・−−・・  下向括弧
−・−−・−
・−−− ・・・− −−・・−
−・− ・−− −・・−・  上向括弧
・−・・−・
・−・・ −・・− ・−−−・
−− −・−− −−−・−
−・ −−・・ ・−・−・
@ −線の長さは、三点に等しい。
A 一符合を作る各線又は点の間隔は一点に等しい。
B 二符合間の間隔は、三点に等しい。
C 二語の間隔は七点に等しい。


交信方法

初心者にとって最も気になるのは交信の方法や内容だと思います。でも、これだけは慣れですので、一概に「これがベストの方法だ」というのはないのです。昔は開局まで時間がかかりましたので、殆んどの人が、1〜2年はSWL(受信専門に楽しむ)を経験し、それでハムの交信方法やマナーを身に付けたものです。現在は市販の無線機ですぐに簡単に開局できますが、やはり基本は他人の交信をワッチすることです。
交信はバンドプラン等の運用規則を守るのが前提ですが、それ以外にもバンドやモードごとに、それぞれの慣習がありますので、とにかく自分が運用したいバンドの交信の様子をよくワッチすることから始めましょう。

例えば、旭区から7N4QRS がCQ呼出しする場合は・・・
1.
ハローCQ(数回)
2.こちらは
3.セブン ノベンバー フォー ケベック ロメオ シエラー、 セブン エヌ フォー キュー アール エス、 横浜市旭区です
4.お聞きの方いらっしゃいましたら、QSO お願いします。受信します どうぞ
 といった具合にちょっとアレンジすると、かなり違った印象になります。


コールサインや運用場所、名前などの通報には、フォネティックコード(欧文通話表)や和文通話表を活用すると正確に伝送することができます。
日本人の発音でアルファベット読みではなかなか伝わらないので、コールサインの確認にはフォネティックコードは必須です。
初心者は最低でも、フォネティックコードは覚えてから交信しましょう。



FMでのCQ呼出しの方法
FMには呼出周波数(メンチャンネル)があり、そこでCQを出して相手が見つかれば、他の交信周波数(サブ)に移って交信します。しかし、144や430MHz帯などは混雑して交信周波数がなかなか見つからない場合もあります。そこで効率よくするために、あらかじめ交信周波数を探して確保しておいてから呼出周波数でCQ呼出し(その際に交信周波数を指定)をする方法が一般的になっています。

また、FMは帯域が広いので混信を避けるため、20KHzの偶数ステップの周波数で交信するのが慣例です。
例えば430MHz帯ですと、呼出周波数433.00に対して、バンドプランに従って交信周波数は433.02、433.04、433.06・・・・・433.98MHzといった具合に20KHz間隔の偶数で交信周波数を探します。
あらかじめ、周波数チェックして交信周波数を探して確保しておく。
・・(例えば、432.96MHzが空いていた)


A局:JA1QTCがCQを出して、 B局:7K3QRHが応答する場合
あらかじめ、周波数チェックして交信周波数を探して確保しておく。
・・(例えば、432.96MHzを使用するためにその周波数をワッチして)

チャンネルチェック チャンネルチェック 
とこの周波数を使うことを宣言する
呼出周波数(433.00)にて・・・
ハローCQ ハローCQ、こちらは ジュリエット インディア ツー ブラボー ロメオ  ロメオ ポータブル ツー、ジュリエット インディア ツー ブラボー ロメオ  ロメオ   ポータブル ツー 愛知県刈谷市移動です 432.96 432.96にてコンタクトお願いします。 
交信周波数(432.96)に移って・・・
ハローCQ ハローCQ、こちらは ジュリエット インディア ツー ブラボー ロメオ  ロメオ ジュリエット インディア ツー ブラボー ロメオ  ロメオ  ポータブル2  愛知県刈谷市です。
どなたかお聞きの方いらっしゃいましたら、交信お願いします。受信します どうぞ
ジュリエット インディア ツー ブラボー ロメオ  ロメオ、  こちらは、セブン キロ スリー ケベック ロメオ ホテル、 セブン ケー スリー キュー アール エイチ よろしくどうぞ
7K3QRH 早速の応答ありがとうございます。
こちらは,JI2BRR愛知県刈谷市です
レポートはこちらから、ごうきゅう、ファイブナイン(59)をお送りします。名前はカワセノカ ミカサノミ ヤマトノヤ カミヤと申します。今後とも宜しくお願いします。7K3QRH、こちらは、JI2BRR どうぞ
了解。JI2BRR、こちらは 7K3QRH
大和市のスズキさんですね、レポート59確認です。こちらのOTHは川崎市多摩区です。こちらからのレポートはファイブセブン(57)です。私の名前はタナカと申します。こちらこそ宜しくお願いします。
JI2BRR、こちらは 7K3QRH どうぞ
お互いのコールサインとRSレポート交換で交信成立となりますので、そのあとは・・・
QSLカード交換の約束、無線機やアンテナ、運用場所の特徴などを紹介し合うとよいでしょう。
(お互いのコールサイン確認後はフォネティックコードを使う必要はなく、普通にアルファベットで発音すればよい)
7K3QRH、こちらは、JI2BRR
本日は楽しい交信ありがとうございました。QSLカードはいかがいたしましょうか?よろしかったら御交換お願いしたいと思いますが、次回ご指定ください。
7K3QRH、こちらは、JA1QTC どうぞ
了解。JI2BRR、こちらは 7K3QRH
カードの件了解しました。ぜひJARLビューロ経由で御交換お願いします。
JI2BRR、こちらは 7K3QRH どうぞ
了解。7K3QRH、こちらは、JI2BRR
カード交換ありがとうございます。こちらからもビューロ経由でお送りします。また機会がありましたら交信お願いします。7K3QRH、こちらは、JI2BRR ありがとうございました。さようなら
JI2BRR、こちらは 7K3QRH どうもありがとうございました。さようなら
ありがとうございました・・・ほか、お聞きの方いらっしゃいますか、ハローCQ CQ こちらはJI2BRR・・・

(周波数の優先権はCQを出している局にありますので、CQ局は続けてCQ呼出しを行うことができます。 応答した局がさらに誰かと交信したい場合は、他の周波数に移って自分でCQを出すか、他にCQを出している局を探して応答します。)
●FMの呼出周波数(メイン)はたくさんの人が常時聴いていますので、呼出しは簡潔に行い、交信周波数(サブ)に移ってから、粘り強くCQを出しましょう。応答がないからといって、すぐにメインに戻って何度もCQを出すと嫌われますので、メインでの呼出しはある程度の間隔をおいてください。

●コールサインが一度でとれなかった場合は、「7K3局、再度コールお願いします」とか「7K3QRクエスチョン、ラストレターがとれませんでした、もう一度コールお願いします」というように、聞き取れたところまで(どこが判らないのか)通報し、再度コールサインを送ってもらうようにしましょう。ただ「もう一度お願いします」ではどこまで聞き取れているのかわからないので、交信の効率が悪くなります。
全く聞き取れなかった場合は、「QRZ 誰かこちらを呼びましたか こちらは JA1QTC 受信します」というように相手のコールサインの代わりにQRZ(キューアールゼット)を使用します。

●CQを出している局に応答する場合は、CQ局のコールサインを確認してから応答しましょう。
CQを出している局に対して「コールサインは何ですか?」というのは大変失礼になりますので、よくワッチしてから応答しましょう。


SSBでのCQ呼出しの方法
HF帯ではSSBモードで交信するのが主流です。AMは50MHz帯の一部に残っているだけです。
SSBにはUSB(上側波帯)とLSB(下側波帯)がありますが、7MHz帯以下はLSB、14MHz帯以上はUSBで交信する慣習があります。
AMやSSBには呼出周波数というものがありません。よってバンドプランの狭帯域の電話区分内で空き周波数を探して、粘り強くCQを出し続けるわけです。

SSBは帯域幅が3KHzと狭いので、他局に混信にならなければバンドプラン内であればどの周波数で交信してもよいのです。ただし、それぞれのバンドごとに、「DX(海外局)はここ、ラグチューするならこのあたり」というような習慣がありますので、よくワッチして暗黙のルールを身につけることも大切です。バンドによっては慣習的な国際呼出周波数もあります。

とにかく慣れるまでは、CQを出している局に応答するのがよいでしょう。



A局:JE6QSG/6島原市移動局がCQを出して、
B局:7M2QTN/1三浦市移動局が応答する場合
ハローCQ ハローCQ ハローCQ こちらは ジュリエット エコー シックス ケベック シエラー ゴルフ ポータブル シックス(JA6QSG/6)、 ジェイ イー シックス キュー エス ジー ポータブル シックス 長崎県島原市移動です。どちらかお聞きの方いらっしゃいましたらコールください。コーリング CQ アンド スタンディング バイ(Colling CQ and stnding by)
ジェイ イー シックス キュー エス ジー ポータブル シックス、 こちらは セブン マイク ツー ケベック タンゴ ノベンバー ポータブル ワン(7M2QTN/1) 神奈川県三浦市から入感ありますか
(一度にたくさんの局が呼んでいる時は、自分のコールサインのみ短く送信する)
セブン マイク ツー ケベック タンゴ ノベンバー ポータブル ワン 三浦市局 応答ありがとうございます。こちらは ジュリエット エコー シックス ケベック シエラー ゴルフ ポータブル シックス、 長崎県島原市にファイブファイブ(55)で入感しています。名前はタカハシと申します。
セブン マイク ツー ケベック タンゴ ノベンバー ポータブル ワン、 こちらは ジェイ イー シックス キュー エス ジー ポータブル シックス どうぞ
了解しました。JE6QSG/6 こちらは 7M2QTN/1 三浦市移動から
レポート55 確認です。こちらからは、ごうきゅう ファイブナイン(59)です。私の名前はサトウと申します。よろしかったら、連盟経由でカード交換お願いします。
JE6QSG/6 こちらは 7M2QTN/1 どうぞ
了解。7M2QTN/1 こちらは JE6QSG/6
サトウさん 59確認です。カードはこちらからも JARL経由で送ります。本日はありがとうございました。
また聞こえておりましたら、お願いします。 セブンティ スリー(73)
●移動運用の場合は必ず、コールサインの後に、斜線「/」を書いてエリア番号を付ける。
●「/1」はポータブル ワンと読む。(ストローク ワンともいう)
●CQ呼出しの場合はさらに市町村名を付け加えると応答率が高くなる。


移動運用は ポータブル**
初心者と交信した際、「ポータブルっていう言葉よく聞きますが何のことですか?」という質問を何度かうけたことがあります。そういえば入門書にもあまり説明されていませんね。

常置場所を離れて、移動運用する時にコールサインの後に「7L4CWL ポータブル ワン」のように付け加えます。記入は「7L4CWL/1」のように斜線と数字を書きます。後の数字は送信する現在地のエリアナンバーです。エリアナンバーは、1=関東、2=東海、3=近畿・・・という具合に10の地方総合通信局の管轄区域に分けられています。詳しいエリアや所属する都道府県は「日本のエリアナンバー」で確認してください。
たまに「ストローク 1」という人もいますが、それはポータブルと同じ意味です。

車やバイクなどで走行中の場合に、一定の場所からのポータブル運用と区別するために「モービル 1」という人もいます。走行中でも陸上移動にはちがいありませんから「ポータブル *」でもよいのです。常に動いているということを強調したい時には「モービル *」と言ってもかまいません。

海上移動の場合はコールサインの後に「マリタイムモービル(記入は/MM)」と付け加えます。MMという文字から俗語で「ミッキーマウス」という人もいます。海上にはエリア番号がありませんので、参考情報として東京湾横浜沖とか三浦半島沖というように大まかな位置を付け加えてもよいでしょう。
注意点は、船が航行中でも河川や湖の場合は陸上とみなされますので、マリタイムモービルではなく単にモービル又はポータブルと言います。船が係留中の場合も陸上とみなされます。

上空移動は「エアロノーティカルモービル」又は「エアーモービル」(記入は/AM)と言います。上空にもエリア番号がありませんので、東京上空というように大体の位置を伝えればよいでしょう。



RSレポート交換
FMでもSSBでも、交信中に必ず伝えなければならないのが、RSレポートです。これは相手の電波がどのような状態で自分のところに入ってきているかを数字で表すものです。

Rはリーダビリティ(了解度)で、1〜5の数字で表します。音声が聞きやすいかどうかということです。5が最も良くて「完全に了解できる」ということで、1は「了解できない」となります。

Sはシグナルストリングス(信号強度)で、1〜9の数字で表します。電波の強さで、数字が大きいほど強い電波ということです。
自分の耳で聞いて感じた値でよいのです。実際に電波の強さを正確に耳で聞き分けるのは困難ですので、あまり神経質にならず、下の表を参考に適当な自己判断でよいのです。

最も状態が良い場合は、了解度5、信号強度9で、RSレポートは59(ごうきゅう 又は ファイブナイン)となります。
CW(電信)のみT(音調)1〜9が加わり、RST 599のようになります。
RS(T)レポート
R 了解度 [Readability]
  了解できない
  かろうじて了解できる
  かなり困難だが了解できる
  実用上困難なく了解できる
  完全に了解できる
  
  S 信号強度 [Signal Strength]
  微弱でかろうじて受信できる信号
  たいへん弱い信号
  弱い信号
  弱いが受信容易
  かなり適度な強さの信号
  適度な強さの信号
  かなり強い信号
  強い信号
  きわめて強い信号
  
  T 音調 [Tone]  (電信通信用)
  極めてあらい音
  
大変あらい交流音で、楽音の感じは少しもない音調
  
あらくて低い調子の交流音でいくぶん楽音にちかい音調
  
いくらかあらい交流音で、かなり楽音性にちかい音
  
楽音的で変調された音色
  変調された音。少しピューという音を伴なっている
  
直流に近い音で、少しリプルが残っている
  
よい直流音色ですが、ほんのわずかリプルが感じられる
  
完全な直流音
   



QSLカード交換
カード交換についても、必ずといってよいほど交信中に聞かれます。ハムのあいだではお互いに交信証としてQSLカードを交換する習慣があります。これは義務ではないのですが、カード交換を楽しみにしている人も多くいますし、アワード(賞状のようなもの)獲得には必要になります。

友達等の特定の局とおしゃべりするだけなら必要ありませんが、多くの人と交信したい場合はQSLカード交換は必須と思ってよいでしょう。交換しない場合は「ノーカードでお願いします」と断ればよいのですが、ノーカードでは応答が極端に少なくなるのも事実です。

また、カードをビューロ経由(JARL経由または連盟経由ともいう)で交換するためには、お互いが日本アマチュア無線連盟(JARL=ジャール)の会員でなければなりません。JARLビューロ経由ですと、コールサインの記入だけで無料で世界中のハムとカード交換ができるメリットがあります。
会員以外ですと、ダイレクト(直接郵便)で送る方法もありますが、これは相手の正確な住所を交信中に聞かないといけないし、1枚ごとに郵便料金がかかりますので、通常は敬遠されます。

多くの局と交信したい場合は、やはりJARLに入会し、QSLカードを用意しておくとよいでしょう。



コールサインとRSレポートで交信成立
・・・他に、どんなこと話すの?
交信成立の最低条件は、お互いのコールサインとRSレポートの確認です。コンテストではコールサインとRSを含めたコンテストナンバーのみで終了します。しかし、通常の交信では、少なくともそれに加えて、運用場所や名前の紹介、QSLカードの約束くらいはするようです。

一般的にHFのSSBの交信は簡潔に済まし、VHFやUHFのFMでは比較的のんびりと話しをする傾向があります。もちろん、車の移動中や異常伝搬等でいつ交信が途絶えるかわからないときは必要最小限の交信になりますし、パイルアップ(大勢に呼ばれている)の場合もできるだけ短い交信にするのがマナーです。状況に応じて臨機応変に対応することが大切です。

ところで、FMなどでのんびり交信する場合はどんなことを話すのでしょうか・・・
初めての相手なので、運用状況や趣味などはわかりません。だから、必要事項の伝達が終わったあとは、無線機やアンテナの紹介、遠くの場合は気候の話題など、ありふれた無難な話しをするとよいでしょう。アマチュア無線の交信は言葉のキャッチボールですから、色々話すうちに共通の関心ごとが見つかるかもしれません。それから、無線ではお互いに、年齢や職業については尋ねないのがマナーです(聞かれてもいないのに自分の方から言うのは構いませんが)。
また、ちょっと気が合わない相手だなと思えば、形式的な挨拶のみで終了すればよいのです。

いずれにしても、多くの人と交信したり、他人の交信を聞いていると要領がつかめてくると思います。ただ、注意点は、すべての人が正しい交信をしているわけではありません。コールサインを言わないモービル局の暇潰しのおしゃべりや、仲間同士のラグチュー(気軽な世間話)などをワッチしても意味がありません。CQ呼び出しをしている局をよくワッチすることが重要です。しかも、なるべく無線用語をあまり使わず普通の話し方をしているCQ局をみつけて、その交信方法を参考にするとよいでしょう。
交信記録としてログをつけよう
ログとは相手局名や時間・周波数などの交信内容を記録する業務日誌です。以前は電波法で義務付けられていましたが、現在アマチュア局では法的義務はなくなりました。しかし、ログは必ずつけておかないと、いつ、どこの誰と交信したかわからないし、QSLカードの発行もできません。

ログはJARLなどの市販のログブックもありますが、ノートに線を引いて手作りのログブックでもよいのです。
最近はパソコンが普及していますので、「ターボハムログ」や「ログシス」などのフリーソフトを利用した電子ログを使っている人も多いです。
手書きのログではコールサインを検索するのも一苦労ですが、電子ログは瞬間的に過去の交信記録を表示してくれますし、QSLカード印刷も自動的に行うことができ、たいへん便利です。フリーソフトは無料ですので、HPからダウンロードして利用するとよいでしょう。


ログブック記入例
時刻
(開始)
時刻
(終了)
相手局コールサイン

RST 使用電波 備 考 QSL
相手 自局 型式 周波数 電力
1 2 10:35 10:42 JA1QTH . 57 59 FM 430 10 川崎麻生区、オカノ
1 2 10:45 10:53 7K3QSS/1 . 55 53 FM 430 10 鎌倉市、ヤマモト
1 5 15:10 15:16 JR2TTT . 59 59 SSB 50 50 清水市、小林 .
1 7 16:38 16:47 JH7AHR/7 . 599 599 CW 28 50 宮城県石巻市、ワタナベ .
1 10 07:25 07:28 JE8XXX . 57 55 SSB 7 50 釧路市、エンドウ .
1 12 15:41 15:46 JP6ZZZ . 59 59 SSB 21 50 福岡市、xx高校無線部、ヨシダ .
1 15 12:30 12:35 7L3TXT/1 . 59 55 FM 144 20 横浜市磯子区、ナカダ .
1 16 21:43 22:10 7M4VVV . 59 59 FM 50 10 横浜市旭区杉本 .
1 21 23:05 23:12 JF1QSX . 57 55 FM 1200 10 千葉県市原市、佐藤 .
1 25 19:24 19:30 DS5QRU . 59 59 SSB 50 50 韓国、KIM .
2 8 12:15 12:22 W2ABC . 59 59 SSB 14 100 USA,TX 、Bob . .
2 10 16:28 16:35 JO3QSX/MM . 57 57 SSB 50 50 三浦半島沖、栄光丸、河田さん . .



アンテナ選び

アマチュア無線では様々な形のアンテナが使用されます。CB無線では付属アンテナのみで外付けアンテナは禁止されています。パーソナル無線では外付けアンテナもOKですが、棒状の単一型のみが許可され感度の制限もあります。その点アマチュア無線はアンテナもすべて自由に選択できます。自分が運用したいバンド、運用スタイル、設置場所、予算などを考えて、自分に適したアンテナを選んでください。
 
アンテナの大きさ

 アンテナの基本形はダイポールアンテナで、波長の二分の一(給電部から左右に4分の1波長ずつ)の長さで共振します。フルサイズアンテナというのは1/2波長の長さのエレメントがあるアンテナのことです。よってアンテナの大きさ、つまり素子(エレメント)の長さは周波数で決まります。
電波は光と同じ速度で1秒間に約30万km進みます。30万kmを周波数(ヘルツ)で割った数値が波長です。分かりやすく周波数の単位をMHzにすると、次の式で波長が計算できます。
 

λ 波長(m)=300÷周波数(MHz)

実際のエレメントの長さは導体の短縮率により若干短くなります。
電波は導体を通るときは、その物質や外部被覆などの影響で空間の速度より遅くなります。
それが波長短縮率または速度係数と呼ばれるものです。波長短縮率は導体により異なります。
例えば一般的なワイヤーの短縮率は95%前後ですから、
300÷周波数(MHz)×0.95で計算します
バンドごとの波長
周波数 波長 1/2波長 周波数 波長 1/2波長
1.9MHz 160m 80m 24MHz 12m 6m
3.5MHz 80m 40m 28MHz 10m 5m
7MHz 40m 20m 50MHz 6m 3m
10MHz 30m 15m 144MHz 2m 1m
14MHz 20m 10m 430MHz 70cm 35cm
18MHz 17m 8.5m 1200MHz 25cm 12.5cm
21MHz 15m 7.5m 2400MHz 12cm 6cm
この表の波長は慣習的に表現される数値です。実際は上の式で計算してください。
また、エレメントに短縮コイルを挿入して、物理的なエレメント長を短くすることも可能です。

 
アンテナの種類

アンテナには色々な形のものがあり、それぞれ特徴があります。形状のほかにもアンテナの種類はその動作から、次の3つの視点から考えることができます。

(1)接地型アンテナと非接地型アンテナ
 接地とはアースのことで、アンテナのエレメントの片方を地面や車のボディに接地することによって動作するアンテナを
接地型アンテナといいます。例えば地上の1/4波長のアンテナを地面に接地することで地中が仮想的に片方の1/4波長のイメージアンテナの役割を果たし1/2ダイポールと同じ動作をさせることができるのです。代表的なのがバーチカルアンテナです。アースの代わりにラジアル(地線)を数本付けて動作させているのがグランドプレーンアンテナ(GP)です。モービルアンテナは地面の代わりに車体の鉄板部分にアースします。よってモービルアンテナで1/4波長のものは基台をボディに導通させなければなりません。ハンディ機のホイップアンテナも多くが1/4波長ですが、ハンディ機のボディをアースの代わりにしているのです。

 
非接地型アンテナとはエレメントの両方が空中に開放されているアンテナでアース不要です。代表的なのがダイポールアンテナで、給電点から左右に1/4波長のエレメントがあり合わせて1/2波長で共振します。基本的に1/2波長や1波長のアンテナは非接地型アンテナです。八木アンテナや各種ループアンテナも非接地型アンテナです。

(2)指向性アンテナと無指向性アンテナ
 一定の方向に電波が送受信されるアンテナを
指向性アンテナ(ビームアンテナ)といいます。代表的なのがテレビ受信用アンテナにも利用されている八木宇田アンテナやパラボラアンテナです。
 指向性により目的方向の送受信能力が向上しますので遠距離通信には有効です。さらに目的方向以外からの混信を避けることができます。アンテナを向けた方向以外との通信ができないので、ローテーター(回転装置)が必要です。

 水平ダイポールアンテナは双方向(8の字特性)に電波が発射されますので、これも指向性アンテナの一種で
双指向性アンテナといいます。

 アンテナから電波が水平面に四方八方に発射されるものを
無指向性アンテナといいます。代表的なのがグランドプレーン(GP)アンテナやモーピルホイップアンテナです。指向性アンテナに比べて利得は劣りますが、あらゆる方向との通信ができますので、近距離通信や移動局に適しています。デメリットとしては混信が多くなります。

 
指向性アンテナと無指向性アンテナの両方を設置し、目的や状況に応じて切り替えられる設備にしておけばベストです。
 ここでは水平面の基本的な指向特性を簡単に説明しましたが、電波は立体的に発射されますので、垂直面にもそれぞれ指向特徴があります。それに周囲の環境や設置状況でも若干変化します。それらについては割愛しますので、興味のある方はアンテナハンドブック等を参照してください。



(3)水平アンテナと垂直アンテナ
 設置方法の違いで垂直偏波と水平偏波に関連します。例えば1本のダイポールアンテナを地面に対して水平に設置すれば発射される電波面は水平偏波となり、地面に対して垂直に設置すれば発射される電波面は水平偏波となります。GPやモービルホイップは必然的に垂直に設置しますから垂直アンテナです。ダイポールや八木アンテナは水平に設置すれば水平偏波となり、垂直に設置すれば垂直偏波となります。
 一般的にアマチュア無線ではHF帯は水平偏波が使用され、144MHz帯より高いバンドは垂直偏波が利用されます。50MHz帯はどちらも利用されます。
 直接波ではアンテナの偏波面が合わないと受信感度が下がりますから、直接波が基本のVHFやUHFではモービル局が多いことや固定でもGPアンテナが多いので、それら垂直系のアンテナに合わせたものと思われます。
 HF帯はエレメントが長いですからダイポールも八木も水平に設置する方が容易です。HF帯は電離層反射波が基本で、電離層で反射すると偏波面が乱れますから、水平と垂直の違いはなくなります。だからバーチカルアンテナなど垂直系のHFアンテナでも交信できるのです。


いろいろなアンテナ
モービルアンテナ
自動車用の無指向性アンテナで受風面積を小さくするため細くできています。モービルホイップとも呼ばれるようにムチのようにしなるので高速走行しても折れません。複数のバンドに対応したものが主流です。アースが必要なラジアルタイプとアース不要のノンラジアルタイプがあります。430MHzより上は殆どノンラジアルです。50MHzより低い周波数では殆どが1/4波長でアースが必要です。自動車以外で使用する場合はノンラジアルタイプが無難です。
フレキシブルアンテナ
ハンディ機用のアンテナです。動作原理はモービルアンテナと同じですが、身体に当たっても安全なようにゴムで覆われており柔らかいのが特徴です。ハンディ機のボディにアースします。複数のバンドに対応したものが主流です。取付けコネクタの形状がBNG型とSMA型がありますので所有するハンディ機に合うものから選択しましょう。
グランドプレーン(GP)アンテナ
固定局で最も多く使用されている代表的な無指向性アンテナです。1/4波長のエレメントにアース代わりのラジアル(地線)を3〜4本付けて共振させます。効率を良くするため、5/8波長を数段重ねた製品も多くあります。モノバンドと複数のバンドに対応したものがあります。考案した人の名前からブラウンアンテナとも呼ばれます。
ダイポールアンテナ
アンテナの基本形でアンテナ利得の基準になっている。給電部から左右対称に1/4波長のエレメントを付けて全体で1/2波長として共振します。回転半径を小さくする為にV型や逆V型に設置してもOK。エレメントを短くするために短縮コイルを挿入したものも多くあります。複数のバンドに対応したものもありますが、モノバンドのフルサイズが最も効率が良い。
ワイヤーアンテナ
ダイポールアンテナと同じですが、エレメントにワイヤーを使用したものです。安価で自作も容易です。持ち運びに便利なので移動運用でよく利用されます。
 
八木宇田アンテナ
一般には八木と呼ばれているが正しくは八木宇田アンテナ。テレビアンテナでお馴染みの魚の骨のような形をしている指向性アンテナ。八木博士と宇田博士が共同開発し世界的にもビームアンテナの基本形となっている。給電部のエレメントがダイポールアンテナです、後ろに反射器、前方に導波器の3エレメントが基本。導波器を増やすほど指向性が鋭くなり利得も向上する。アマチュア無線では指向性アンテナとしては最もポピュラーな存在である。一般にHF〜50MHz帯は水平に設置し、144MHz以上は垂直に設置する。
HB9CV
2本のエレメントに位相差給電することで高い利得が得られ指向性もある。2エレメントが基本形だが、導波器を付けてさらに利得を得ることも可能。50MHzやHF帯に利用されることが多い。HB9CVは考案したスイスのハムのコールサインから命名された。
ループアンテナ
1波長のエレメントをループ状に丸めたアンテナ。形は四角でも三角でもよい。四角だとクワッド、三角はデルタループと呼ばれる。八木の原理で多素子化するとビームアンテナとなる。利得は得られるが受風面積が大きくなるのが欠点。市販品もあるが自作する人が多い。
ヘンテナ
併合ループの変形で、長辺が1/2λ、短辺が1/6λの長方形の中に非対称の給電部がある。八木よりも利得が高い。単独でも使用できるが、八木の原理で多素子化しビームアンテナとしても使用できる。長辺が1λのものもある。重量と受風面積が大きくなるのが欠点。考案したのは日本のハム。動作原理が不思議なので「変てこなアンテナ」という意味から命名された。市販品が少ないので自作がメインとなる。
パラボラアンテナ
中華鍋のような形のアンテナ。鋭い指向性があり、高い周波数に適している。一般家庭ではBSやCSなどの衛星放送の受信用としてよく設置されている。アマチュア無線でも1.2GHz以上の高いバンドで使用される。アマチュア用は市販品が少ないので、自作がメインとなる。
ログペリアンテナ
正しくはログペリオディック。各エレメントの長さが前方にいくにしたがって短く変化しているので、広範囲の周波数帯に対応している。広帯域の受信アンテナとして使用されることが多い。八木のようなビーム特性がある。
ディスコーンアンテナ
ディスク(円盤)とコーン(円錐)を組み合わせた傘の骨のようなアンテナ。VHFからUHFの広帯域受信用として使用される。無指向性なので利得は高くない。市販品では上部に送信用のホイップアンテナを付けた製品が多い。
その他
キュービカルクワッド、スイスクワッド、スクエアロー、バイコニカル、AWX、ZLスペシャル、バタフライ、磁界型ループ、同軸ケーブルで作るコーリニア、フィーダ線で作るJ型、空き缶を利用したカンテナ・・・色々な形のユニークなアンテナがたくさんあります。それらの多くはハムが考案したものです。みなさんも身近な材料で自作してみるとよいでしょう。


カタログの見方
dBとdBi <要注意!>
カタログなどではアンテナの利得
(ゲイン)を分かりやすい対数としてdb(デシベル)数値で表されています。ここでの注意点は、そのdb数値には<db>と<dbi>の2種類あるということです。

dB(デシベル)は、アンテナの基本形である1/2波長のダイポールアンテナを0dBと基準し、そのダイポールアンテナと比べてどれくらい利得があるかを示すものです。よってdBは相対利得とも呼ばれます。本来はdBdと表記すべきですが、一般的には単にdBと表記されていることが多いようです。。

dBi(デシベルアイソトロピック)は、仮想上で全方向完全な無指向性アンテナを基準にしており、絶対利得とも呼ばれます。注意点は dBi は理論上の完璧なアンテナが基準ですから、dB表記に比べて 2.15dB
(正確には2.14)数値が大きくなっていることです。よって同じダイポールアンテナでもdb表記なら0db、dBi表記なら2.15dbi となります0dB=2.15dBi という関係です

カタログでは数値を大きく見せるために dBi 表記がほとんどです。カタログによっては表記が混在しているものや、dBiの数値なのにdBと表記されている場合もありますので、複数のアンテナ性能を比較検討する際には要注意です。

FB比
Front to Back Ratioの略で前方対後方比。八木などのビームアンテナから発射される電波は目的の方向(メインローブ)以外にも後方(バックローブ)や横方向(サイドローブ)など不要な方向にも若干放射されます。その不要方向(副ローブ)で最も大きいのが後方ですから、放射パターンを前方対後方の比率で表しビーム特性がどれくらい優れているか判断する一つの基準となります。デシベルで表示されますから数値が大きいほど良いアンテナとなります。20〜25dBあれば優秀なアンテナです。
(前方ゲインを0dBと基準して後方の強さを表す場合は-10dBというようになりマイナス数値が大きいほど良いアンテナです)
FS比
FB比と同じ計算方法で、フロントとサイドの比率を同じくデジベルで表したものです。
FB比とFS比がともに優れていれば指向性が鋭いアンテナということになります。

■指向性アンテナにはローテーター

ローテーターとはアンテナを回転させる装置です。テレビ放送のように常に決まった方向から電波が来るのであればアンテナをその方向に固定しておけばOKです。しかし、アマチュア無線は不特定の局と交信することが多いのでいつでも360度回転できないと不便です。そこでビームアンテナにはローテーターを付け無線室のコントローラーを操作して目的の方向にアンテナを向けるわけです。
ローテーターもアンテナの大きさや重量に応じて小型から大型まで多くの種類があります。ただ、価格が高いですから、最初はベランダに設置したポールを手で回転させる人もけっこいます。



■感度アップにはプリアンプ


弱い信号を電気的に増幅させるのがプリアンプ(受信増幅器)です。UHFのように高い周波数になるとケーブルによるロスが大きいのでプリアンプを使用している局も多いようです。市販品は50、144、430、1200MHz用が発売されています。430MHz帯以上を本格的に運用したいのであれば購入する価値はあると思います。
また、プリアンプには
アンテナ直下型と無線機の近くに設置する卓上型がありますが、アンテナ直下型でないとあまり意味がありません。それは弱い信号がケーブルでロスする前に増幅する必要があるからです。卓上型だと既にロスしてしまった後に増幅しても、いったん消えた信号は復活せず、ノイズ増幅器になりかねません。だからパワーアンプ(送信増幅器)に付いているプリアンプもおまけ程度と思ってください。プリアンプのメリットを生かすには、必ずアンテナ直下に設置してください。

■SWR計
アマチュア無線でもアンテナなどの各種測定機器があれば便利です。無線機もアンテナもコネクタ付ケーブルもすべて市販品の場合はそれらの取扱説明書のとおり設置すれば、よほどのことがない限り大きな不具合はないと思います。でもハムとしては最小限の簡易的な測定機器は所有しておきたいものです。アンテナとケーブルのマッチングを見るSWR計は必須と思ってよいでしょう。プロ用の測定器は非常に高価ですから、無線機の出力を測るパワー計と一緒になっているアマチュア無線用の通過型「SWR&パワー計」が安価(1万円前後)で便利です。パワーを測る際にダミーロード(擬似空中線)もあれば便利です。アンテナを自作する場合は簡易的な電界強度計(自作で十分)も必要でしょう。
SWR値は完全整合だと1.0ですが、概ね1.5以内ならほぼ整合状態と考えて良いでしょう。



 
アンテナ理論や自作に興味がある方は、CQ出版社の「アンテナ・ハンドブック」の購入をお勧めします。その他にも同社からアンテナに関する本がたくさん出版されていますので読んで研究するとよいでしょう。
 市販アンテナも多くの種類があり便利ですが、自作のアンテナで交信するとまた違った喜びが味わえるものです。それに身近な材料で製作できますので、市販品に比べてはるかに安価でしかも利得の高いものが簡単にできます。みなさんもぜひ自作にチャレンジしてみてください。


 
teatime   無線機よりもアンテナ重視で!   
 

V/UHF帯の運用で重要度の順位をつけると(「それはお金だ!」という意見は置いといて)・・・
 1.ロケーション 2.アンテナ 3.フィーダ(給電線) 4.出力 5.無線機 となります。

 一番重要なロケーションは、標高が高くて周囲に障害物がなくて見晴らしが良くて・・が理想ですが、移動運用は別として自宅からの場合は引越しでもしないかぎり条件を変えることはできません。
 だから2番目に重要なアンテナに最も気をつかいましょう。シャックづくりでは、まず自己の環境で物理的に可能なアンテナから計画をスタートしましょう。アンテナは電波の出入り口ですからここをケチるとすべてが台無しになります。

 次に、いくらアンテナが良くてもロスが大きいしょぼいフィーダーだとせっかくの信号が減衰して消えてしまいます。周波数が高くなるほどフィーダーロスによる減衰が大きくなります。よってUHFではフィーダーとコネクターは低損失のものを選びましょう。

 送信出力は、UHF帯ではさほど必要ではありません。10Wあれば十分です。山岳移動では1W未満でも100Km超の交信も可能です。確かに送信出力を上げれば電波はある程度までは遠くへ飛びます。しかし送信出力を上げても受信能力は変わりません。いくら電波を遠くへ飛ばしても相手の信号を受信できなければ交信はできません。送信と受信能力のバランスが大切です。その点、利得の高いアンテナを使用すれば、受信能力は向上し、同時に出力も増大したのと同じになり一石二鳥です。利得0dBと10dBのアンテナの電力比は10倍、20dBで100倍となります。つまり利得10dBのアンテナで10W送信すれば、0bBのアンテナの100Wと同じ出力になります。20dBだと1KWに相当します。電波はパワーで飛ばすのではなく、効率の良いアンテナで効率よく飛ばすのがハムの腕の見せ所です。

 最後に無線機は電波さえ安定して出れば何でもよいのです。10年前の中古無線機でもなんら問題ありません。OM諸氏では30年前のリグを使っていることも珍しくありません。パソコンとは違い、無線機は最新型である必要はないのです。

 アマチュア無線といえば最初は無線機ばかりに目が行きがちですが、まずはアンテナを最重要項目として考えましょう。とりあえずハンディ機一台で開局するのは良しとして、適当にハムライフを楽しみながら、次のシャックづくりの計画を立ててください。

 HF帯になると少し事情が変わり、電離層の通過や反射による減衰があるので、ある程度の出力も必要になります。その代わりケーブルによる減衰が少ないですから、給電線とコネクターは安価なものでOKです。アンテナが重要なのはかわりません。


デシベル表
1/2 1 2 3 4 5 10 100
電力[dB] -3 0 3 4.7 6 7 10 20
電圧[dB] -6 0 6 9.4 12 14 20 40


フィーダーとコネクター

アマチュア無線では無線機とアンテナに関心がある人は多いですが、意外とフィーダ(給電線)やコネクタに無関心な人が多いものです。フィーダーは無線機とアンテナを結び信号を伝える重要なものです。フィーダーの選択を間違えるとロスが大きくなり、せっかく受信した信号が消えてしまいます。特にVHFやUHFなど周波数が高くなるほどフィーダーロスによる減衰が大きくなります。現在は殆どの場合、給電には同軸ケーブルが使用されますので、ここでは主に同軸ケーブルについて説明します。同軸ケーブルにも太さや材質により多くの種類がありますので、使用するバンドと設置環境を考えて適切なケーブルを使用しましょう。


同軸ケーブルの見方
(1) (2) (3)
10 - SFA

(1)ケーブルの太さで内径をmmで表したもの。3〜12がよく使用される。太くなるほどロスが少なくなる。
(2)特性インピーダンスを表します。Cが75Ωでテレビ受信用などに使用されます。Dが通信用の50Ωでアマチュア無線では通常はDを使用します。
(3)絶縁体の材質などケーブルの構造を表したもの。
 2V→FB→SFB→SFAの順にロスが少なくなる


同軸ケーブルの減衰量および波長短縮率 (藤倉電線)
  型 名 ケーブル
外径 mm
周波数ごとの減衰量 (dB/10m) 波長短縮率
(約)
30M 50M 145M 430M 1200M
PE
充実
タイプ
3D-2V 5.3 0.77 0.99 1.71 2.99 5.2 67%
5D-2V 7.5 0.44 0.6 1.05 1.85 3.5 67%
8D-2V 11.5 0.3 0.4 0.72 1.35 2.6 67%
10D-2V 13.7 0.22 0.31 0.56 1.05 2.1 67%
低損失
タイプ
3.5DS 5.7 0.49 0.64 1.1 1.93 3.34 77%
5D-FB 7.6 0.33 0.43 0.74 1.31 2.3 80%
8D-FB 11.0 0.22 0.28 0.49 0.89 1.6 80%
10D-FB 13.0 0.17 0.22 0.39 0.72 1.3 79%
23D-4F 31.0 0.07 0.09 0.17 0.32 0.65 92%
高発泡
プラス
チック
5D-SFA 7.6 0.28 0.36 0.60 1.10 1.85 88%
8D-SFA 11.1 0.18 0.24 0.40 0.74 1.30 88%
10D-SFA 13.0 0.15 0.20 0.33 0.56 1.05 88%
12D-SFA 15.6 0.12 0.16 0.27 0.48 0.88 88%
上の表はバンド別の10メートルあたりの減衰量です。20m・30mと長くなるにしたがって上記数値の2倍・3倍・・と減衰量も増えます。よってケーブルはなるべく“太く短く”が理想です。ただ太くなるにしたがって価格も高くなります。同様に材質もFB、SFAと低損失なほど価格が高くなります。それに太くなるにしたがって芯線も太くて硬くなり、加工や取り回しがやりにくくなります。運用場所の物理的環境と運用周波数を考えて最適のケーブルを選択してください。
特にUHFでケーブルが長くなる場合はできるだけ損失の少ないケーブルにしてください。HF帯は減衰が少ないですから、5D2Vなどの安価なケーブルで十分です。

自動車に配線する場合は物理的に太いケーブルは不可能なので3D以下の細いものが使用されます。さらに車内への引き込み部分は2Dとか1.5Dなど極端に細くなっている製品が多いようです。自動車の場合は長さが3〜5m前後と限られていますので、さほど減衰を気にする必要もないと思います。

買うときは余裕をみて、測った数値より2m程度長めに購入するとよいでしょう。ピッタリ購入して足りなくなったという話をよく聞きます。特に太いケーブルはコネクタの接続部分とか曲げる部分は図面通りにはなりませんから。
それからケーブル長は1/2波長の整数倍にするとよくマッチしSWRが下がるという話をよく聞きますが、これはハムの迷信であって全く気にする必要はありません。物理的な取り回しに必要な長さでよいのです。

■同軸ケーブルの寿命
屋外に配線している同軸ケーブルは一般的に3〜5年を目処に交換するのがよいとされています。でも10年以上不具合なく使っている場合もあるようです。一番劣化しやすいのはコネクター部分で、雨水の浸入が最大の原因です。自己融着テープで厳重に防水しておけば比較的長持ちするでしょう。外部被覆は紫外線や太陽熱などで見た目は劣化するようでが、よほどの年月が経たない限り中の導体までは影響しないでしょう。それより傷があれば雨水が浸入しますので、傷の有無を定期的に点検するとようでしょう。またローテーターやクランクアップタワーの可動部分は非常に劣化しやすいです。特に芯線が硬いケーブルは外見は大丈夫でも芯線が断線していることもあります。頻繁に動かす場合は寿命が1年程度ということもあるようです。
いずれにしても定期的に目視による点検とSWR測定で異状の有無を確認してください。SWR測定の注意点は、
ケーブルが劣化するとSWR計の値が良くなるということです。SWR値が悪くなるのが劣化の証拠となれば分かり易いのですが、皮肉にもその逆で劣化すると数値が低くなるという点に注意しておいてください。定期的に測定し、何もしないのに徐々にSWR値が低くなってきたら、ケーブルの劣化を疑ってみてください。
  
■フィーダーの種類と使用方法
既に述べたように、現在はフィーダーといえば殆どの場合で同軸ケーブルを使用します。同軸ケーブルは単にリグからアンテナに高周波電流を伝えるもの(非同調給電線)と思えばよいでしょう。しかし、現在はごく少数派ですが、同軸ケーブル以外にもフィーダーはあります。またフィーダーの使用方法にも違いがあります。市販アンテナを同軸ケーブルで繋ぐ場合は特に必要な知識ではありませんが、ハムとして知っておいて損はありませんので、フィーダーの種類と使用方法について簡単にふれておきます。
●フィーダーの種類
(1)同軸ケーブル
中心導体をポリエチレン等の絶縁体で包んであり、その絶縁体を外部導体(編組線)で包んであります。断面が円形ですので形で判断できます。現在の主流です。構造上耐電圧は下記の二線式より劣ります。通常は非同調給電線として使用します。電気的な働きの平衡・不平衡で分類すると、不平衡フィーダーです。よってアンテナ(平衡回路)に接続するにはバラン(平衡/不平衡整合器)が必要です。市販アンテナには何らかの整合処理が施されていますから、取扱説明書通りに接続すればよいでしょう。

(2)平行二線式フィーダー
文字通り二本の同じ導線が平行になっているフィーダーです。電気的な働きで分類すると平衡フィーダーです。断面の形や見た目の形状から、リボンフィーダー、めがねフィーダー、はしごフィーダーと呼ばれるものがある。

a.テレビ受信用フィーダー
VHFテレビに使用される300Ωの通称“
リボンフィーダー”とUHFテレビに使用される200Ωの通称“めがねフィーダー”がある。現在はテレビ受信用も同軸ケーブルが主流だが、いまでも安価で市販されている。インピーダンスが高いので給電線としては使いにくいが、自作アンテナの材料として使用することもできる。

b.オープンワイヤー(はしごフィーダー)
平行する2本のワイヤーの平行距離を一定にするため適度の間隔でスペーサーが取り付けられており、その見た目の形状から通称“はしごフィーダー”とも呼ばれます。ロスが少なく、耐電圧にも優れている。インピーダンスが高いので同調フィーダー(下記参照)として使用されることが多い。昔は主流でしたが、同軸ケーブルが登場してからは殆ど使用されなくなりました。市販品がありませんので自作するのが普通です。現在は同調フィーダーなど特定の目的以外では使用されません。

●フィーダーの使用方法
(1)同調フィーダー
フィーダー長を使用波長の1/4λとか1/2λなど特定長にし、フィーダー上にわざと定在波を乗せ、フィーダーも含めてマッチングをとる給電方法。1本のアンテナを複数の周波数帯で、フィーダーを含めて同調させることができる。はしごフィーダーの時代によく利用された給電方法。高いSWR値の状態で使用するので定在波が立ち、その電流最大点で給電することを電流給電、電圧最大点で給電することを電圧給電という。現在は特定のアンテナか自作や実験であえて研究する人以外はあまり使われない。

(2)非同調フィーダー
アンテナ自体でマッチングをとり、フィーダーはできるだけ進行波のみが伝わるようにする使い方で、フィーダー長は任意(電気的長さの制限が無い)でよい。現在はほとんどこの方法で給電される。同軸ケーブルは非同調フィーダーとして使用することが前提でつくられている。


コネクター

アンテナと無線機はケーブルでつなぎますが、その接続部分のコネクタにはM型とN型があります。ハンディ機にはBNC型があります。いずれも無線機やアンテナのコネクタ端子に合わせればよいわけですが、N型は50Ωに整合された低損失タイプで高価ですからUHF(430MHz)以上の高い周波数で使用されます。HF帯は損失が少ないので安価なM型で十分です。VHF(50MHzと144MHz)も通常はM型でOKです。M型にも50Ω整合型の低損失タイプがありますが非常に高価です。アンテナ切換器などの端子もM型とN型がありますから運用する周波数によって選択しましょう。


コネクターの取付図 (東洋コネクター製の場合)
1)本体シェルより接続ナットを外す。
 
MP-8,MP-10は後部についている止めネジ(左ネジ)を外してから行う

2)接続ナットをケーブルに通し、外部被覆を の寸法で切り取る。

3)外部導体を 、絶縁体を の寸法で切り取る。
(ここで外部導体(アミ線)にハンダメッキしておくと 部が付きやすくなる)

4)本体シェルを装着し、
部をハンダ付けする。

5)接続ナットをもとの位置へ戻す。

 参考値(mm)
 MP- 3 a:25.5 b:17.0 c:15.0
 MP- 5 a:25.5 b:17.0 c:15.0
 MP- 8 a:25.5 b:17.0 c:15.0
 MP-10 a:26.0 b:17.0 c:15.0
 
1)本体シェルから締付ナットを外し各部品を取り出す。但し、絶縁体、ブッシングは図の順にに本体シェルの中に再び装着する。

2)ケーブルへ締付ナット、ワッシャー、ガスケットの順に通し外部被覆を
の寸法で切り取る。

3)クランプを装着し外部導体をほぐして折り返してそろえ、絶縁体を の寸法で切り取る。

4)中心コンタクトを中心導体へ装着し、C部をハンダ付けする。

5)(4)でできたケーブルを本体シェルへ挿入し、締付ナットで固定する。

 
参考値(mm)
NP-3 a:13.5 b:6.0  NP- 8  a:9.0 b:5.0
NP-5 a:13.5 b:6.5  NP-10 a:11.0 b:4.0
 
1)本体シェルから締付ナットを外し各部品を取り出す。

2)ケーブルへ締付ナット、ワッシャー、ガスケットの順に通し外部被覆を
の寸法で切り取る。

3)クランプを装着し外部導体をほぐして折り返してそろえ、絶縁体を の寸法で切り取る。

4)中心コンタクトを中心導体へ装着し、C部をハンダ付けする。

5)(4)でできたケーブルを本体シェルへ挿入し、締付ナットで固定する。

 参考値(mm)
 BNCP-58U a:7.5 b:3.5
 BNCP-3  a:7.5 b:3.5
 BNCP-5  a:9.0 b:3.5
ハンダごては60〜100Wのものを使いましょう。40W以下のコテだとハンダの溶解に時間がかかり絶縁体が溶けたり変形してショートの原因になります。強力なコテで素早く行うのがコツです。ケーブルの切断には金ノコを使用しましょう。ニッパやペンチで切断すると切り口がつぶれます。外部被覆と絶縁体はカッターナイフで切り取ります。N型とBNC型の外部導体は千枚通しなどで丁寧にほぐす。

コネクターの取付けは難しくありませんので自分でできるようにしておくとよいでしょう。できない場合は有料で取付けてくれるハムショップもあります。割高になりますが両端にコネクター付きの既製品ケーブルもあります。既製品では10、15、20、30mなどが発売されています。モービル用では3〜5m前後が発売されています。

コネクターの屋外部分での接続には自己融着テープを巻きその上からビニールテープを巻きます。ビニールテープは隙間から水が入りますので、必ず最初に自己融着テープを使用してください。
ケーブルとコネクターの参考価格
ケーブル(フジクラ) コネクター (東洋コネクター)
型名 価格/m M型 価格 N型 価格 BNC型 価格
RG58/U 110 MP-3 300 NP-58/U 1100 BNCP-58/U 600
3D-2V 110 NP-3 1100 BNCP-3 600
3.5DS 110 NP-3X 900 BNCP-3.5DFB 600
5D-2V 140 MP-5 300 NP-5 1200 BNCP-5 900
5D-FB 210 NP-5DFB 1200 BNCP-5DFB 900
5D-SFA 250 NP-5DSF 1200 - -
8D-2V 300 MP-8 450 NP-8 1300 - -
8D-FB 410 NP-8DFB 1300 - -
8D-SFA 470 MP-8DSF 450 NP-8DSF 1300 - -
10D-2V 420 MP-10 500 NP-10 1500 - -
10D-FB 580 MP-10DFB 600 NP-10DFB 1500 - -
10D-SFA 620 MP-10DSF 1200 NP-10DSF 1500 - -
12D-FB 720 MP-12DFB 1800 NP-12DFB 1800 - -
12D-SFA 880 MP-12DSF 1800 NP-12DSF 1800 - -
価格の単位は円。上記は数年前、秋葉原のハムショップで確認したもので、現在の正確な価格ではありませんので参考程度と思ってください。それぞれの店や地域によって価格は異なります。コネクタなら電子パーツショップ、ケーブルは電線専門店などがハムショップより安い傾向があります。
ケーブルの価格は1m当たりの切り売り単価です。10m単位の巻き売りや1ロール(100m)は単価が安くなります。
コネクタはケーブルに対応する一般的な型式を掲載しました。他にも対応するコネクタがあります。

 

 
 
teatime   フィーダーに関する誤解

 アンテナとかフィーダーおよびSWRに関しては諸説入り乱れております。電気工学では分布定数回路という分野で我々アマチュアには理解し難いものです。理解し難いがためにハムのあいだでは様々な言葉や理論が混同し、多くの誤解や迷信が起こります。その誤解は世代を超えて定説のように語り継がれているものもあります。

●フィーダー長は1/2波長の整数倍にするとよくマッチしSWRも下がる?
 多くのハムが信じているようですが、根拠のない迷信です。交信をワッチしていると「ケーブルは2分の1波長の整数倍に・・・」と得意げに指導しているのを聞くことがよくあります。何故このようなことを言う人が多いのかというと、一つは同調フィーダーと非同調フィーダーの混同。もう一つは給電点インピーダンスを計測するテクニックで使用する延長ケーブルとの混同が考えられます。

 平行二線式のはしごフィーダーは特性インピーダンスが高く、そのままではアンテナとマッチしません。そこでフィーダーを使用周波数の1/4や1/2波長など特定の電気的長さにし、フィーダー上にわざと高い定在波を立て、そのフィーダー部分も含めてマッチングさせるのが同調フィーダーのやり方です。
 定在波が立つとフィーダー上で高電流と高電圧の部分が1/4波長ごとに交互に現れ1/2波長で同じ動作を繰り返します。高電流の部分で給電することを電流給電、高電圧の部分を電圧給電といいます。給電が目的ならどちらでも可能です。ただ、高電圧の部分をシャックに引き込むと様々なトラブルを起こす可能性がありますので電圧給電は敬遠され、一般的に電流給電が選択されます。よって1/2波長の整数倍という意味が出てくるのです。しかし、これはあくまでもアンテナ給電点でマッチングをとらない同調フィーダーの時代の話しです。
 同軸ケーブルが一般的となっている現在では殆どの場合非同調フィーダーとして給電します。というか現在は同軸ケーブルを非同調フィーダとして使うのが当たり前ですから、同調とか非同調という言葉自体が殆ど死語になっています。同軸ケーブルはアンテナのインピーダンスに近い数値で作られていますから、通常はアンテナ給電点で概ねマッチします。非同調フィーダーの長さは任意に選択できます。つまり、電気的長さは関係なく、物理的取り回しに必要な長さでよいのです。
 ケーブルの電気的長さが必要なのは同調給電やマッチング回路として使用する場合です。

 もう一つは、給電点のインピーダンスを計測するテクニックとして、1/2波長ごとに同じ数値を繰り返す電気的特性を利用して給電点から1/2波長の整数倍の延長ケーブルを接続すると地上で給電点のインピーダンスと同じ数値が測れます。これは波長が数百メートルや数千メートルもある業務用の中波や長波のアンテナは地上高も高く、そこに計測器を持って登って作業するのは困難ですのでたいへん便利な方法です。しかし、我々ハムは給電点のインピーダンスを測るのが目的ではありません。ケーブルの目的はアンテナに電力を供給することです。

 SWRはアンテナ給電点とフィーダーの特性インピーダンスがマッチしているか否かということで、その他の事柄は関係ありません。フィーダーの長さでSWR値が変わることはありません。ミスマッチで定在波が立つとフィーダー上のインピーダンスは一定ではなく、場所によって異なります。しかしSWR値はどこでも同じです。いくら長さを加減してもミスマッチには変わりなく、長さによってマッチすることはありません。ミスマッチの結果として定在波が立つので、その定在波の波の節をそろえたところで意味はありません。
 実際にはSWR計を入れる位置によってSWR値が変わるのも事実です。でもそれはSWR計を挿入することで微妙にインピーダンスが変化するためで、誤差とか誤作動の類だと思ってよいでしょう。アマチュア用のSWR計は完全に50Ωに整合されているわけではありません。アマチュア用のSWR計にはある程度の誤差がありますから、1.3が1.2になったとかで一喜一憂しても意味がありません。プロ用の設備では2.0で良好としています。ただ、プロ用の計測器は非常に高価でから、アマチュアレベルでは誤差があっても実用になる程度の安価な計測器で十分です。アマチュアは誤差の分も余裕をみて1.5以内としているのです。HF帯なら2.0でも実用上問題ありません。ですからSWRに関してはあまり神経質にならず、目安程度と考え、概ね1.5以内であれば、整合しているんだなあと思えばよいでしょう。


●SWRが高いとTVIが発生する?
 これも多くのハムの間で定説のように言われています。それによると、SWRが高いと定在波が立ち、そこから不要電波が輻射され、それが近所に電波障害を与えるというものです。実際は、基本的にフィーダーから電波が輻射されることは殆どありません。フィーダーの2線(往路と復路)に流れる電流は、大きさは等しくて方向が逆です。これにより、どんなに大きな波が輻射されようとも、お互いがプラスとマイナスで打ち消しあって消えてしまいます。これは平行2線式フィーダーでも同軸ケーブルでも同じです。さらに同軸ケーブルは外部導体に包まれているので、打ち消しに関しては平行2線式よりも優れています。よって実用上、不要輻射を気にすることはありません。
 ただし、往復2線がバランスがとれていない場合は打ち消しが不十分になり、周囲に障害を与えることがあります。この原因の多くは、何らかの不具合によりフィーダーに同相電流が流れた場合です。しかし、この同相電流はSWRとかフィーダーの長さとは関係ありません。同相電流が流れるような欠陥アンテナなら結果的にSWR値が高いことも想像できますが、直接の関係はありません。同相電流は馴染みのない言葉かもしれませんが、コモンモードと言えば聞いたことがあると思います。この現象では往復2線あるにもかかわらず、同じ方向に電流が進行し、帰路は大地を経由したりします。
 よってケーブルからの不要輻射を気にするなら、SWRとかフィーダー長を気にする以前に同相電流について気にかけておくべきです。


●SWRが高いと反射波で電力が消える?
 確かにミスマッチでSWRが高くなると反射波が発生しロスは増えます。その反射した電力がすべてロスとして消えてしまうと思っている人も多いようです。しかし、反射波と電力損失は全く別です。例えばSWR3.0の場合、100W送信したら反射電力は33Wで、反射率は25%です。その25%が消えてしまうと勘違いしている人が多いようです。反射した波は再び進行波に加わります。その場合、進行波は133Wになり反射波33Wの差し引き100Wで変わりません。ただフィダーをみかけ上、リグの定格出力よりも大きい電力が行ったり来たりするのは好ましい状態ではありません。それに実際には定在波が立つと高電圧と高電流の部分で誘電体損失や熱損失などでロスが増えます。そのロスの程度は元々のケーブルの性能によりますし、バンドによっても異なります。そこそこの性能のケーブルで長さが数十メートル程度であれば、高いSWRによるロスの増加は微々たるものです。SWRは高いといっても通常は2とか3程度でしょうから、反射波でのロスを気にする必要はありません。

 もちろんSWRは低い方が良いにきまっています。ただ、あまり神経質になる必要はないということです。常識的な数値(2.0程度以下)でそこそこの性能のケーブルを使用する限りSWR値によるロスを気にする必要はありません。ましてや1.0に拘るのは無意味です。そんなことより、バンドに適した低損失のケーブルを選択することが重要です。

  
  電波伝搬 (電波の伝わり方)
電波の伝わり方は周波数によって大きく異なり、様々な自然現象の影響も受けます。よって同じ周波数帯でも常に一定というわけではありません。プロの通信業務や放送局にとっては常に一定の伝搬が求められるので、自然現象による伝搬の変化は困ったことです。しかし、我々アマチュアは様々な伝搬や異常現象をむしろ楽しんで通信することができるのです。
ここでは基本的な電波伝搬を説明します。さらに詳しい用語や計算式に興味がある方は専門の書籍を参考にしてください。
電波伝搬の様式
1.地上波
 地上を伝搬する電波で、直接波、大地反射波、地表波の3つがあります。
直接波: 最も単純な伝搬経路で、送受信間が見通し距離の場合に光と同じように直進して伝わります。光の性質と似ているVHFやUHF以上の高い周波数にみられます。

大地反射波: 大地で反射して伝搬します。VHFやUHFで送受信間が見通し距離の場合は図のように直接波と大地反射波の両方が受信アンテナに到達し、位相差を生じてお互いが干渉します。両者の位相が同相になると受信地点の電界強度が高くなり、逆相になると低下します。

地表波(グランドウエーブ): 大地の湾曲に沿って伝搬します。HF帯以下の低い(波長が長い)周波数にみられます。MF(中波)のラジオ放送が遠くまで届くのは地表波を利用したものです。アマチュア無線では地表波はあまり利用されません。

 上記以外にも回析や反射などの現象によって、見通し外や異なる方向に伝搬することがあります
山岳回折波:光と同じように、山岳による電波の回折(回り込み)現象で、山の向こうの山陰(見通し外)に伝搬します。VHFやUHF帯以上の高い周波数に見られます。

山岳反射波: 山岳に反射して伝搬します。VHFやUHF帯以上の高い周波数に見られます。山以外でも大きなビルなどでも同じ現象が起こります。アマチュア無線ではよく利用されるテクニックで、ビームアンテナを使用すると効率的です。アマチュアの世界では反射させる山岳によって、富士山反射、丹沢反射のように呼びます。

2.電離層反射波
地球の上空にある電離層に反射して見通し距離外の遠方に伝搬します。上空波(スカイウェーブ)とも呼ばれます。周波数が低いほど電離層で反射しやすくなります。通常、電離層で反射するのはHF帯(30MHz)以下の低い周波数です。電離層で反射された電波は遠くの大地に到達し、そこの大地でも反射して上空に向かって進み再び電離層で反射します。この電離層と大地の間で反射を繰り返して数千kmから数万kmと交信できます。主に海外とのDX通信に利用されます。電離層を通過したり反射するときに減衰します。

3、対流圏波
VHFやUHFなどの高い(波長が短い)周波数に見られる伝搬で、対流圏(地上約15kmまで)を通過する際に、気温、気圧、湿度などの気象条件の影響により伝搬が変化したり散乱するものです。。
対流圏では通常でも電波は直進しないで、若干下方(地面方向)に曲がりながら伝搬します。そのため実際には直接波の計算上の直線距離よりも遠方まで到達します。
さらに対流圏では雨や風などの気象変化が常に起こっています。それにより大気の屈折率は一定ではありません。対流圏で起こる様々な気象条件によって電波が散乱して伝わるので、対流圏散乱波ともいい、まとめてトロッポとも呼ばれます。それに加えて時刻や地理的条件などで屈折率の垂直分布が不規則になることがあります。それらの要因で温度・湿度が通常とは逆に、上空に行くほど高くなることがあります。それが逆転層と呼ばれるもので、そこを電波が通過すると複雑な伝わり方をします。逆転層が激しくなると、超屈折という現象を起こし、上下に反射を繰り返しながら遠方まで到達します。それがラジオダクトと呼ばれる現象です。ラジオダクトによる伝搬は主にUHF(430MHz帯)以上の高い周波数で発生します。

電離層

電離層は太陽の紫外線などの影響で大気が電離して発生したイオン層で、地上から約60kmから400kmのあたりに電子密度の高い部分が複数の層に分かれて現れます。難しいことはあまり考えないで、電離層は電波を反射させる鏡のようなものと思えばよいでしょう。下からD層、E層、F層と呼ばれます。さらにF層はF1層とF2層があります。アマチュア無線では主にF層の反射を利用します。

●各層の電子密度は一定ではなく、様々な条件で変化します。
 #1日の変化: 昼間に電子密度が高くなり、夜間にはD層とF1層は消滅し、E層も観測できないくらい弱くなります。
 
#季節変化: 夏に電子密度が高くなり、冬にはD層とF1層は非常に弱くなるか消滅します。
 
#太陽活動による変化: 11年周期の黒点数の増加によって電子密度が高くなります。ハムのあいだではサイクルと呼んでいます。現在はサイクル23(2000年ピーク)が終了し、最衰期(2006年)を折り返した時期で、コンディションはよくありません。次のサイクル24のピークは2011年頃と予想されています。



D層: 地上から約60kmから80kmの高さに昼間に発生し、夜間には消滅します。電子密度が低いので、反射するのは数十kHz以下のVLF(超長波)とLF(長波)の低い周波数のみで、他は反射されることはなく、通過する際に減衰させてしまいます。そのため吸収層とか減衰層とも呼ばれます。D層を通過する際の減衰は周波数が低いほど大きくなります

E層: 地上から約100kmから130km付近に発生する。電子密度はD層より数十倍高いが、夜間には観測できないくらい弱くなる。LF(長波)の他にMF(中波)の放送波やHFの低い周波数が反射する。アマチュア無線では1.9MHz帯や3.5MHz帯が反射する。E層を通過する際の減衰はD層と同様に周波数が低いほと大きくなる。

Es層(スポラディックE層): 略してEスポとも呼ばれ、E層付近に電子密度の高い層が突発的に発生する。発生原因は正確には解明されていないが、特に春から夏期の日中に発生することが多い。地域的には日本および東南アジア近辺が最も発生しやすい。
 Eスポにより、通常はすべての層を突き抜けてしまう
VHFの電波も反射させてしまう。そのため隣接する国(日本の場合は韓国や中国)の放送が混信してくる。日本の放送局で特に影響を受けるのがVHF帯の下の方の1ch〜3ch(NHKテレビ)である。Eスポが発生するとNHKでは「只今気象条件により受信障害が発生しています」という旨のテロップを出します。強力なEスポだと、144MHz帯までも反射することがあります。
 プロの放送局にとっては困った現象であるが、アマチュア無線では普段はできない遠距離との交信が可能となり、Eスポの発生は大歓迎である。
28MHz帯と50MHz帯が最もEスポの恩恵を受けやすい

F層: 地上から200km〜400km付近にあり、電子密度はE層より数十から数百倍高いのでHF帯(短波)を効率よく反射する。反射する際の減衰は周波数が高くなるほど大きくなる。
 夏期の昼間にF層の下にもう一つの層が現れ、それを正規のF層と区別する為に
F1層と呼び、正規のF層をF2層と呼んでいる。F1層は夜間及び冬期には消滅(合併)する。アマチュア無線のDX通信ではこのF層の反射が最も重要になる。通常、F層で反射するのは28MHz帯までだが、11年周期の太陽黒点数の上昇ピーク時には50MHz帯までも反射する。

電離層伝搬における用語・諸現象
第一種減衰: 電波が電離層を通過するときに受ける減衰です。短波帯の場合、D層とE層を通過するときの減衰です。各層の電子密度が高いほど減衰は大きくなります。通過する周波数が低いほど減衰が大きくなります。
第二種減衰: 電波が電離層で反射するときに受ける減衰です。短波帯の場合はF層で反射するときに受ける減衰です。周波数が高いほど減衰が大きくなります。第一種減衰よりは減衰は小さい。

臨界周波数: 電波を電離層に垂直に打ち上げたときに反射する限界(最高)の周波数です。D層を突き抜けても、その上のE層やF層で反射されることもあるので、臨界周波数は各層ごとに表されます。通常の臨界周波数はE層で3MHz、F層で8MHzくらいですが、太陽の黒点数が上昇するとさらに高くなります。臨界周波数は電離層に直角に入射した場合の数値であり、電離層の入射角が浅くなるほど反射する周波数は高くなります。

MUF(最高使用周波数): 特定の2地点間において、電離層反射波で通信できる最高の周波数です。電離層に対して電波が斜め(浅い角度)で入射すると臨界周波数よりも高い周波数でも反射します。その入射角度が浅ければ浅いほど高い周波数でも反射しやすくなります。それは池に石を投げるのと同じ理屈です。石を上から水面に対して深い角度で投げれば石は水中に沈みますが、横手投げで浅い角度で投げると水面上を何度もバウンドして進むのと同じです。特定の2局間においては、臨界周波数がわかれば電離層の高さと入射角度、2局間の距離によって使用できる最高の周波数が計算できます。その値をMUF(Maximum Usable Frequency)といいます。

LUF (最低使用周波数): 特定の2地点間において、電離層反射波で通信できる最低の周波数です。HFの通信の多くはF層の反射を利用します。既に述べたようにD層とE層を通過するときに減衰します。その減衰は周波数が低いほど大きくなりますので、特定の2局間で電離層反射波による通信には使用周波数の下限があるということです。その下限周波数のことをLUF(Lowest Usable Frequency)といいます。LUFは送信出力やアンテナ性能により変わります。

FOT(最適使用周波数): MUFとLUFの間で、通信に最も適した周波数のことをFOT(Frequency Optimum Transmission)といいます。MUFの85%の周波数が最適とされています。

スキップゾーン(不感地帯): 地表波が届く地点と電離層反射波が最初に地上に到達する地点(跳躍距離)の間には何れの電波も到達しない地域が存在します。そこをスキップゾーンといいます。電離層の入射角度が浅ければ浅いほど反射した電波が最初に地上に到達する地点は遠くなります。それに対して地表波が届くのはせいぜい100Kmとか200kmです。よって入射角度が浅いほどスキップゾーンが広くなります。

フェーディング: 受信地点で電波の強さが数分の1秒から数分程度の周期で変動する現象で、原因によりいくつかに分類されます。

 
#干渉性フェーディング:発射地点から二つ以上の異なる経路で受信点に到達した電波が干渉することにより発生する。異なる経路によって到達の時間差が生じるためである。電離層反射波が異なる経路により到達した場合、また電離層反射波と地上波の両方が到達した場合などに発生する。
 #吸収性フェーディング: 電離層による伝搬過程で受ける減衰(第一種減衰および第二種減衰)が時間とともに変動するために起こる。比較的周期が長い。
 
#選択性フェーディング:電離層反射波が周波数により異なる減衰を受けることによる。AMでは片側の側波帯が減衰量が異なると了解度が低下する。
 #跳躍性フェーディング: 跳躍距離(電離層反射波が地上に到達する地点)付近で、電離層の変化により、今まで反射していた電波が突き抜けたり、逆に突き抜けていた電波が反射したりすることにより起こる。
 #偏波性フェーディング: 電離層で反射する際に偏波面が楕円形になり、それが時間とともに回転するために電界強度が変化して発生する。

デリンジャー現象: 地球上で太陽に照らされている部分(昼間)に、HFの通信が突然不能となり、数分から数十分後に回復する現象で、突然消失現象とも呼ばれます。デリンジャーとはこの現象を発見した米国人の名前です。原因は太陽表面の爆発によって放出された多量の紫外線が地球表面に到達することで電離層(特にE層)の電子密度が高くなり、E層を通過するHFの電波がほとんど吸収されてしまうためです。E層を通過するHF帯にのみ発生し、周波数が低いほど影響が大きい。よってHFでも高い周波数である21MHz帯以上は影響を受けることは少ない。

磁気あらし: 地球全体で電界強度が徐々に低下し、数日間にわたり通信不能となる現象。原因は太陽から放出される荷電子粒子が地磁気を乱すことにより、電離層も乱れてしまうため。要するに磁気嵐により電離層嵐が発生して電離層が乱れて通信不能となるわけです。デリンジャー現象の発生は昼間のみですが、この磁気嵐は昼夜に関係なく発生します。

ロングパス: 通常の通信では最短距離(ショートパス)の電波が電界強度が強いのですが、昼と夜の電離層による減衰の違いで、長い距離の電波の方が強く受信できることがある。この現象をロングパスという。

エコー: 発射された電波が二つ以上の異なる経路で到達することにより、信号に時間差が発生し、遅れて到達した信号が「こだま」のように聞こえる現象。ショートパスとロングパスの両方が受信できるときによく発生する。



 バンドごとの伝搬パターン

それぞれのバンドの基本的な電波伝搬をおおまかに説明します。もちろん電離層の電子密度や様々な自然現象によって変わってきますし、理屈通りにならない不思議な伝搬もあります。様々な現象を味わえるのもハムの楽しみですから、色々と実験・研究するとよいでしょう。なお、下図の電離層ではF1層は省略してF層(F2層)としてあります。
7MHz帯の伝搬

7MHz帯(40mバンド)はHFのなかで最も人気があるバンドで、一日中にぎやかです。7MHzはHFでは低い周波数ですので電離層(F層)でよく反射します。電離層では周波数が低いほど反射しやすくなりますので、各層の電子密度が高くなる昼間は、上図のAのように電波を垂直に近い角度で打ち上げても反射します。そのため近県など比較的近距離からの電波も到達します。

昼間の問題は、電離層を通過するときの減衰は周波数が低いほど大きくなることです。7MHzは低い周波数ですので、D層とE層を通過するときに吸収され大きく減衰します。そのため電離層と大地で何度も反射を繰り返すDX(遠距離)通信では減衰が激しく信号が弱くなるので、近距離の強い信号に隠れてほとんど聞き取れなくなります。これが昼間の国内バンドとなる理由です。

夜間になると、F層の電子密度が低くなるので、図のAのような深い入射角の電波はF層を突き抜けてしまい、Cのような浅い入射角の電波のみ反射します。入射角の浅い電波は必然的に最初に大地に到達する距離も遠くなりますので、近距離はスキップして聞こえなくなります。それに加えて夜間にはD層は消えE層も非常に弱くなりますので、昼間のようなD層とE層通過による激しい減衰はなくなります。これにより、夜間はDXバンドとなるわけです。
しかし、夜間はE層での減衰が少なくなるとはいえ、ある程度は減衰しますので、反射を繰り返し数万kmに及ぶ海外通信では、高性能のビームアンテナと大きな送信出力が必要となります。
 
 
21MHz帯の伝搬

21MHz帯(15mバンド)はアマチュアで利用可能なバンド幅が450kHzあり、7MHzに比べて混信も少ないので、HFの入門バンドとして人気があります。コンディションが良いときには盛んにDX通信が行われます。

21MHzはHFのなかでは高い方の周波数ですので、電離層で反射しにくくなります。上図の昼間のパターンのように、電離層の電子密度が高くなる昼間でさえ反射されるのはCのような浅い入射角の電波のみです。AやBのような深い入射角の電波は反射せず宇宙空間へ突き抜けてしまいます。浅い入射角の電波は遠くへ到達します。D層およびE層を通過するときの減衰は、21MHzは高い周波数ですので、気にするほどの減衰はありません。そのため、21MHz帯が昼間のDXが可能となるのです。また、Eスポを利用した通信も可能です。
 
夜間になると、F層も電子密度が低くなりますので、Cのような浅い入射角の電波でも反射されずに突き抜けてしまいます。そのため夜間はたいへん静かなバンドとなり、聞こえるのは近所からの地表波だけです。

21MHzのコンディションは太陽活動に大きく左右されます。11年周期の黒点数の上昇によりF層の電子密度が高くなると、21MHz帯も効率よく反射され、DXを含めたあらゆる交信の可能性が増えます。現在はサイクル23(2000年ピーク)が終了し、2006年の最衰期を折り返した時期で、コンディションとしては良くありません。次回サイクル24(2011年ピーク)が期待されます。

 
28MHz/50MHz帯の伝搬

28MHz帯(10mバンド)はHFではいちばん高い周波数ですので、VHFの50MHz帯(6mバンド)とよく似た伝搬をします。ここでは50MHz帯の伝搬パターンを中心に説明します。

通常は電離層を突き抜けてしまいます。よって普段は直接波による見通し距離の通信が基本です。
28MHz帯はHFで唯一FMが許可されています。50MHz帯はバンド幅が広いのでFM運用も盛んです。普段の運用者は少なく、見通し距離のFMモードでのんびり交信することができます。今でもAMモードによる通信が行われています。
休日には山頂などからの移動運用が盛んです。
50MHz帯は異常伝搬の恩恵を受けやすいので、様々な現象を利用したスリリングな通信を楽しむことができます。

Eスポ(スポラディックE層): Eスポなくして50MHz帯は語れないほど有名な現象です。 Eスポが発生すると状況が一変し、SSBもFMも大変にぎやかになります。Eスポは電子密度がF層よりも高くなり、通常は電離層を突き抜けてしまうVHF帯の電波も反射します。それにより、普段は交信できないDXの電波が強力に入ってきます。D層を通過するときの減衰は周波数が低くなるほど大きくなるので、高い周波数である28MHz帯と50MHz帯は減衰が少なく小出力でもEスポの恩恵を最も受けるわけです。
1回の反射での通信距離は400〜2000kmといわれていますが、電波の打ち上げ角度が低いと、近距離のEスポが利用できません。直接波による通信では高い位置のアンテナが有利ですが、近距離Eスポでは逆に高いアンテナは打ち上げ角が低くなり不利となります。
Eスポは突発的に発生するが、特に春から夏期の昼間に発生することが多い。12月と1月にも時々発生することがある。

F2層による伝搬: 太陽活動(黒点数の上昇)が盛んになると、特にF2層の電子密度が高くなり、28MHz帯が反射しやすくなるほか、最盛期には50MHz帯までもF層で反射することもあります。そうなると50MHz帯で地球の裏側との交信も可能となります。50MHz帯における超DX通信はF2層によるものが中心です。50MHzファンは11年周期の太陽黒点のサイクルを楽しみに待っているのです。太陽活動の最盛期でなくても、黒点数が50〜100程度あれば夏の昼間にワンホップの伝搬が期待できることもあります。

スキャッター(散乱)
 
#Eスポによる散乱: Eスポが発生した時、正規のEスポ伝搬(アンテナを向けた方角)とは異なる方向からの信号が強力に受信できることがあります。これはEスポのバックスキャッターと呼ばれています。ただ、正規の方向からの局が多いので、バックスキャッターに気づかない場合があります。
 #F2層による散乱: F2層の電子密度が高い時に発生します。Eスポほど強くありませんが、F2層はE層よりもはるかに高度が高く、しかも遠い赤道付近で発生しやすいので、DX通信が期待できます。高度が高くて遠いうえに正規の反射ではなく散乱なので、日本のような面積の小さい国は、一度に全国が開けてしまうことも珍しくありません。
 #Ms メテオスキャッター(流星散乱): 流星が地上約100kmの大気圏に突入して燃える時に、周囲の大気がイオン化しプラズマ状態になります。その数秒間、Eスポのように電波を反射(散乱)する部分が現れます。数秒間とはいえ、次々に流星が発生する流星群だと、その分長い時間の通信が可能となります。特に1月の四分儀座、8月のペルセウス座、12月の双子座の3大流星群が期待できます。

赤道横断伝搬: F2層による伝搬の一種ですが、赤道付近の異常によるものを赤道横断伝搬(TEP)と呼んでいます。高さが400〜500kmと通常のF2層よりも高く、赤道を挟んだ南北間でMUF(最高使用周波数)よりも高い周波数が伝搬します。特に地球上の同一経度が強力なので、日本の場合はオーストラリアとの交信ができます。

トロッポ: トロッポとは一般的には対流圏での異常伝搬全般を指すようですが、50MHz帯では特有の現象を指すこともあります。異常伝搬の一つであるダクトは高い周波数で発生しやすいので、VHFとしては低い方の50MHz帯でのダクト現象は非常に稀です。しかし、波長が長い分、超屈折まで至らなくても、少し屈折するだけでUHFよりも遠くへ飛びます。実際には、ごく稀なダクトなのかダクトまでは至らない50MHz帯特有の屈折現象なのか判別しにくいので、50MHz帯ではこれらをトロッポと呼びます。


144MHz/430MHz帯の伝搬

144MHz帯(2mバンド)は入門バンドでもあり、多くの人が利用しています。430MHz帯(70cmバンド)も都市部を中心に盛んに利用されている。VHFやUHFは電離層を突き抜けてしまうので、直接波による見通し距離の通信が基本です。高い周波数の電波は光に似た特性を持ち直進性が鋭くなる一方で、光と同様に回析や反射という現象も起こります。
見通し距離ということは、見晴らしが良くアンテナの地上高が高くなるほど電波は遠くまで飛びます。山頂からだと小さい出力でも100km以上でも通信可能となります。一方でビルに囲まれた市街地ですと、数キロ程度としか交信できない場合もあります。要するに障害物には弱いのです。
またダクト現象で1000km以上の通信が可能となることもあります。

山岳回折: 電波の進行方向に山があって、相手局が山の陰に隠れて完全な見通し外であっても交信できる場合があります。それは山の先端で電波が回折(回り込み)する性質によるものです。山岳回折は50MHz帯以上のVHFやUHFで顕著になります。

山岳反射: 電波が大きな山に反射して伝搬します。相手局方向に直接アンテナを向けるよりも山岳反射を利用した方が良好に交信できる場合がよくあります。直進性が鋭くなるUHF帯の高い周波数になるほど反射しやすくなります。大きなビルなどでも同様の現象が起こります。

ダクト: 対流圏で大気の逆転層が発生すると、電波が屈折現象を起こし、電波が遠くまで到達します。屈折した電波が地面で再び反射して、その上下反射を繰り返すのが接地ダクト、空中にて上下反射を繰り返すのを離地ダクトといい、一般にラジオダクトと呼ばれます。ダクト現象はごく稀に50MHzでも発生することがありますが、430MHz以上の高い周波数で発生しやすい。

レピータ: 430MHz帯では、山の上やビルの屋上などに設置されたレピータ(中継局)を利用して、小出力のハンディ機でも山の向こうや見通し外の局と通信することができます。アップリンクとダウンリンクは異なる周波数にシフト(430MHz帯の場合、アップリンクが434MHz台、ダウンリンクが439MHz台)して利用します。レピータにアクセスするには88.5Hzのトーン信号が含まれていなければなりません。それらはレピータ対応の無線機を使用すればすべてPTT操作で自動的に行われます。レピータは他に29MHz帯・1200MHz帯・2400MHz帯などでも利用可能です。

宇宙無線通信: 144MHz及び430MHz帯以上の高い周波数の電波が電離層を突き抜ける性質を利用して宇宙無線通信にも利用されます。宇宙無線通信を行うには、免許状の通信事項に「宇宙無線通信を含む」という項目を申請しておかなければなりません。

 #衛星通信:人工衛星(サテライト)で中継する無線通信です。衛星の高度によって通信可能距離は異なります。仕組みはレピータと同じですが、干渉を避けるため送・受信は別のバンドで行います。例えば、上り(アップリンク)は144MHz帯で発射し、受信した衛星が430MHz帯に変換して下り(ダウンリンク)電波を送信します。アマチュア用の衛星は静止衛星ではないので追尾が必要です。また、衛星通信はリアルタイムで交信するアナログ通信とパケットで一旦情報を預かり電子メールのように地球上を運んでくれるデジタル通信があります。アナログの電波型式はSSB又はCWで、デジタルではFM(データ)を使用します。

 #EME(月面反射通信):月に向けて電波を発射し、月面を反射板として利用し、反射して地球に戻ってきた電波をキャッチする通信方法です。地球のほぼ裏側との通信が可能です。反射で著しく減衰し、地球と月の往復距離も遠いことから、非常に微弱な電波を的確にキャッチしなければならないので、高度な設備と知識・技術が必要です。仰角付きの高性能ビームアンテナと許可される最大の出力が必要です。なお、EMEは50MHz帯でも可能です。

★144MHz帯と430MHz帯の違い
 30年ほど前、まだ430が盛んではなかった頃は、430のような高い周波数は飛ばないだろうとの噂があったようです。無線局数が増えて144が混雑するようになり、やむなく430に移動した人々が意外と遠くへ飛ぶという実感を抱くようになり、現在のように144と同じような感覚で盛んに使用されるようになりました。波長からすると確かに144の方が遠くへ飛びやすいでしょう。しかし、430は波長が短い分、利得の高いアンテナが利用できるので結果的に144に劣らないくらい遠くへ飛びます。ただ、周波数が高くなるにつれて光に似た性質になり、直進性が鋭くなるので144よりも430の方が障害物に弱いという面があります。運用する地域(都市部か地方か)やロケーションによって適宜使い分けるのも良いでしょう。


 
 
teatime    通信距離は・・・

 どれくらい飛ぶかという通信距離についての質問をよく受けます。ある程度無線をやったことがあれば、一概に言えないし、様々な条件によって大きく異なるということはわかると思います。それが全くの素人に説明するのは難しいです。遊びに来た友人が部屋にある無線機を見て「これでどこと交信できるの?アメリカまで届く?」とかいう質問を受けるのはよくあることでしょう。そこで「アメリカともヨーロッパとも交信できるけど、隣の静岡県とは交信できません・・」なんて答えると「何で?」と意味不明に思われるでしょう。「スキップゾーンってのがありまして・・地表波と電離層反射波の・・・」とか専門用語で説明してもチンプンカンプンでしょう。だから適当に「世界中どこでも交信できるよ!」なんて言っておけばイイかもしれませんが、そうすると「じゃあやってみてよ!」なんて言われると困ってしまいますし。そこで、自然条件により、できる時とできない時がある・・というと、「そんな不便なもの使い物にならないじゃん」と思われるかもしれません。その不安定さが魅力でもあるのですが、ハム以外の人には理解できない感覚かもしれません。
 プロの業務通信や放送局は常に同じ通信が要求されます。特に業務連絡に使用するのなら安定した通話距離が重要です。しかし、我々ハムは趣味の世界ですから、様々な変化や異常伝搬に一喜一憂すればよいのです。偶然の出会いや思わぬ長距離通信を楽しめばよいのです。太陽活動による11年に一度の通信でも楽しみに待っていればよいのです。
 確実な連絡が必要ならば、携帯電話や電子メールを利用すればよいのです。最近はアマチュア無線でもインターネットと融合したデジタル通信も普及しつつあるようですが、やはりアマチュア無線はアナログ的なところに魅力があると思うのですが・・・。

 比較的安定しているのがVHFやUHFの見通し距離の通信です。通常は50km程度でしょうが、アンテナの性能が良いと100km圏内も楽に交信できます。ただロケーションとアンテナに大きく左右されるので、見通し距離といっても一概に何キロとは言えません。同じ5Wのハンディ機と付属アンテナでも、山頂からなら200kmと交信できますが、自宅の部屋の中からだと2〜3kmでも厳しいということになります。モービル局同士だとお互いが常に移動しているので、通信状態は激しく変化します。

 また、自分のロケーションやアンテナが悪くても、交信相手のロケーションや設備が優れていれば、遠くとの交信も可能です。そのように相手に助けられるということもよくあります。ですから、自分の環境・設備と相手の環境・設備で通信可能距離は大きく変わります。

 「ハンディ機だとどれくらい飛ぶか?」という質問もよく受けますが、ハンディ機とか固定機とかのトランシーバーの種類は通信距離とはほとんど関係ないのです。とにかくロケーションとアンテナ次第です。パワーは二の次です。ハンディ機を屋根の上に設置したアンテナと接続すれば、格段に効率の良い通信ができるようになります。
 無資格で使用できるトランシーバーにはパッケージに通話距離 **mとか表示されているものが多くありますが、あまり意味はないのです。特定小電力無線では 市街地 **m、郊外 **m、スキー場 **m のように分けて表示されているものもあるようです。それも目安程度と考え、通話距離は条件次第で大きく変わるということです。