キャブレターのセッティングについて

キャブレターの全てのセッティングはコース・天候・ライダーの技量・チューニングの内容…等で異なります。
個々のバイクに個々のセッティングがあるので、じっくりコツコツ煮詰めていきましょう(やってみないと判りませんよー)
※なお、ここに記載してある内容により、何らかの不利益が生じても責任はもてませんので自己責任で行ってください。


バイクメンテナンス キャブレター編バイクQ&A キャブレターのセッティングについてアイテム紹介 キャブレター関連商品

症状・状況
原因
セッティング 
アクセル全開時
息つき
薄い
メインジェットの番数を上げる
● プラグの焼け色を見て1ランクづつジェットを上げる。
ジェットの番数を上げても改善しない場合はキャブレター内部&
燃料コック&ホース等の詰まりを点検 
ノッキング
オーバーヒート
プラグの電極が白い
頭打ちが早い
濃い
メインジェットの番数を下げる
● プラグの焼け色を見て1ランクづつジェットを下げる。
プラグの焼け色がキツネ色になればOK
車速が伸びない
回転がぼこつく 
パワー不足
プラグの電極が黒い
アクセル
1/4〜3/4開度時
息つき
薄い
● ジェットニードルのクリップ位置を下げる
ノッキング
失速
もたつく
濃い
● ジェットニードルのクリップの位置を上げる
ぼこつく
加速が悪い
アクセル
1/8〜1/2開度時
息つき
薄い
● ジェットニードルのストレート径を細くする
ノッキング
失速
もたつく
濃い
● ジェットニードルのストレート径を太くする
息つき
加速が悪い
超低速
アイドリング時
回転が不安定
薄い
パイロットジェット(スロージェット)の番数を上げる
● エアスクリューを絞めこむ
黒煙が出る
濃い
パイロットジェット(スロージェット)の番数を下げる
● エアスクリューを緩める
音が鈍い
エンストする
アクセル急開時
レスポンスが悪い
両方の
可能性
メインジェットの番数を変える
● ジェットニードルの位置を変える
回転の戻りが悪い
濃い
パイロットジェット(スロージェット)の番数を下げる
● エアスクリューを緩める
アクセル
0〜1/8開度時
エアスクリュー調整をしても
エンジンの調子が変わらない
両方の
可能性
パイロットジェット(スロージェット)の番数を変えてみる

※キャブレターのオーバーホールを全国どこからでも受付しています。
お送りいただければ、キッチリ洗浄・整備してお届けします。お気軽にご相談ください。
(送料別途)
キャブレターオーバーホールの依頼から、お届けまでの流れを解説しています。
オーバーホールをお考えの方は、ぜひご覧ください。

 モンキーファイルズ:改造のススメ
 
キャブレター

もっとパワーを…キャブレターを取り替えてしまうのが手っ取り早いんだけどね。
新品のビック・キャブレターって幾らするのか?
50cc(スクーターetc)
15,000〜25,000円
ビッグ・シングル(SRタイプ)
50,000円前後
レプリカ&スポーツ(XJRタイプetc)
130,000〜170,000円

高すぎる・・・・・もっと安価に・・・ならば
キャブレターの中身をいじってみよう!(キャブレターセッティング変更)
メインジェットとパイロットジェット >>メインジェットとパイロットジェット<<

メインジェットが高速時(アクセル開度3/4〜全開)のガソリン量を調整するのに対し、パイロットジェットは、スロットル開度 0〜1/4付近の低速を受け持ち、メインジェットの作動する中速域近くまで燃料を供給しています。

(低速からのスムーズな吹け上がり、低速域でのレスポンスに対して重要な役割を果たしています。)

キャブレターセッティングに関して、症状と原因、セッティング方法の一覧作りました。(別画面)

セッティングに必要な部品とその価格は・・・・・
メインジェット…
単品
500円〜
セット(4〜6サイズ)
1,200円
パイロットジェット
単品
550〜850円
セット(3サイズ)
1,200円
※メインジェット価格・バイク別タイプ一覧 ※パイロットジェット価格表はこちら

各×気筒数 かなり遊べます!
これで納得できない人はキャブレター交換に。
ボアアップ&スカチューン&エアクリーナーを社外品に変えた人は絶対&要交換!
マフラーを違うものに変えた場合もセッティングが必要な場合も…

他にも 一発でセッティングが決まる「爆弾キット」「ダイノジェット」なんて物もあります。
15,000円〜20,000円くらい
上記は部品代のみです。取り付けなどの作業工賃は含まれません

左矢印店長オススメ&関連商品
キャブレターキット・セッティンググッズ

〜〜〜 オーバーホール 〜〜〜
 最近エンジンのかかりが異常に悪い、アクセルのツキが悪い、加速に段つきが有る、ガソリンが漏れるなどの症状が出たらキャブレターのO/H(オーバーホール)をお勧めします。

長期間放置してしまった方はもちろんですが、(ガソリンも腐ります!古くなると成分がガム状になってキャブレター内部に詰まってしまう)毎日乗る方でもニードルが減ったり、給油の際混入してしまった埃やゴミのつまりによって調子が悪くなる場合も有ります。
毎日乗る方でも点検兼ねてO/Hする事をお勧めします。

作業内容:分解清掃、内部通路清掃、ジェット、内部各パーツ点検(異常があれば別途交換)

作業工賃 (カッコ内はキャブレター単品持込料金です)
50cc 6,825円 (4,725円)
シングル 12,600円 (8,190円)
ツイン 14,700円 (9,450円)
Vツイン 15,750円 (9,450円)
4気筒 17,850円 (12,600円)
V型4気筒 21,000円 (14,700円)



Q1. キャブレターのセッティングについて教えてください。
A1. そもそもキャブレターの仕事は
『燃料(ガソリン)と空気を適切なバランスに混ぜ合わせる=混合気を作る』ことなのですがエアークリーナなどを交換した場合、吸入する空気の量だけが増えてしまい結果として混合気が薄くなる>「パワーが出なくなる」最悪の場合「焼きつく」ことも…

 逆に、エアクリーナーが目詰まりなどを起こし空気の量が減った場合は混合気が濃くなり「プラグがかぶる」「エンジンが吹けあがらない」の症状が。(チョークを開いたままの状態と同じ)

例えるなら、お腹いっぱいカルピスが飲みたい(混合気)と思い立ったとき、水(空気)を多めにしたら量は増えたけど美味しくない。カルピスの原液(ガソリン)を多めにしたら、くどくて飲めない。って状態です。

とゆー事で、
●ボアアップをした結果、吸入量が増えた。
●マフラーを違うものを取り付けたら出足し・加速が悪くなった。
●パワーフィルター&ファンネル仕様にした。   
…などなどの場合、各ジェットを大きくして(場合によっては小さく)
『適切な混合比にしてあげる必要がある』=セッティングとなるわけです。
ただし、気温、気候、使用状況によって100点満点のセッティングはなかなか難しいのですが、安価なパワーアップ方法のひとつです。ジェットニードルでのセッティングの方法もありますが、これだけで正解を出すのは至難の業です(ほぼ不可能)

やった結果が、そのまま性能に表れるので面白いから、やって見ましょう^^
(すっごくバイクをイジッタ気に(?)なります)

尚、キャブレターを取り替えても同じ作業は待っていますよぉ〜
まずは安いパーツから始めて見ましょう♪



 

 

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■キャブレターのセッティング(基本編)

 

作業時間

必要部品代
取付60分〜、セッティング〜∞
19,000円〜
(キットによって異なる)

効 果

必要工具

 エンジン特性の変化、トルクアップや最高出力の向上など。キャブレターの選択、セッティングによって様々なフィーリングを出すことができます。

 ・ソケットレンチセット
 ・ドライバーセット(プラス、マイナス両方)
 ・六角レンチセット(キャブによって必要)
 ・ラジオペンチ(出来ればあった方が便利)

 キャブレターの役割は混合ガスの生成にあります。この混合ガスの「混合比」をどのスロットル開度でも
最適な状態にするのがセッティングであり、もっとも頭を悩ますところでもあります。

 セッティングはエンジンのチューニングの度合標高差や、気温湿度スロットルの開け方など
様々な要因で変化します。エンジン自体の個体差もあるので、全く同じ仕様のエンジンだからといって
同じセッティングになるとはかぎりません。
それだけにベストセッティングを探すには、経験が重要に
なります。

 モンキーのキャブは取り外しも簡単で、気軽に様々なセッティングを試すことができます。キャブの
セッティングは厄介な作業ですが、それだけに見返りも大きいと思います。
いきなりベストセッティングを
目指すのではなく、各セッティングパーツの役割をよく理解し、自分だけのベストセッティングを
じっくり探しましょう。

※モンキーのキャブレターは、各社様々なメーカーから販売されていますが、むやみに大口径を選択する
のではなく、必ずエンジンの仕様を考えて選んで下さい。最初の選択を誤ると、後々苦労することになる
ので、メーカーの推奨があればそれに従いましょう。

■キャブレターの各部名称

 ノーマルとの比較です。左がノーマル(口径13mm)、右がPE20(口径22mm)です。

 同じモンキーに使えるキャブですが、口径の違いでこれだけサイズが違ってきます。ノーマルキャブでは、交換できる部品も少ないので、今回はこのPE20で解説していきます。

 右側の大きな○がアイドリングスクリューです。アイドリングの回転数を調整します。右回し(時計回り)に締め込むことで、アイドリングの回転数が上がります。

 左側の少し小さな○がエアスクリューになります。アイドリング時の空気量を調整します。

 底のカバーを外したところです。黒いプラスチックがフロートです。ここが浮いて、ゴムバルブを動かすことでガソリンの流入量を調整します。

 ガソリンがオーバーフローする場合、この部分の不良が原因と考えられます。

 中心の白いプラスチックを取ると、メインジェットとスロージェットが現れます。

 左側の○がメインジェットです。高速域でのガス量を調整します。右側の○がスロージェットになります。主に低速域のガス量を調整します。

 それぞれを取り外した状態です。左上がニードルジェットです。低速〜中速域までのガス量を調整します。

 左下がメインジェットで、右側がスロージェットになります。それぞれ表面には番号が刻まれており、この部分を交換することで、ガス量を調整します。番号が大きくなるほど、濃い方向へセッティングは変化します。

 キャブのヘッドキャップを取り外した状態です。左側がスロットルバルブです。この部分をアクセルワイヤーで引っ張ることで、エンジンの回転数を調整します。

 スロットルバルブを分解した状態です。左側がジェットニードルです。上部のEリングの段数を調整することで、主に中速域のガス量を調整します。(かなり低速域から幅広く影響します)

 右側がスロットルバルブです。下の部分のカットウェイの角度を変えることで低速域のガス量の調整をすることができます。

 

■スロットル開度ごとの担当補正パーツ

○パイロットジェット(スロージェット)

 スロットル開度が全閉(アイドリング時)に作用します。

 スロットルが全閉に近いところでは、ベンチュリー内の空気流速が遅く、メイン系の燃料噴出がありませんのでスロットルバルブによって比較的空気流路が細くなり、流速の速い場所にスロージェットが設けられています。

 またパイロットエアースクリューが付いているタイプはコレを開閉することで噴出量を調節できます。

○カットアウェイ(スロットルバルブ)

 スロットル開度が1/6〜1/2に作用します。番数を上げることで吸入負圧が増大し、混合ガスが濃くなります。

 カットアウェイとはスロットルバルブの、空気吸入方向に開いた切り欠きのことを言います。

 番数を下げる(角度を0に近づける)事によって、ベンチュリーの吸入負圧が増大しより多くの燃料を吸入するので混合ガスが濃くなります。

○ジェットニードル/ニードルジェット

 スロットル開度が1/6〜1/3に作用します。

 低開度から1/3程度まではベンチュリー内の空気流量が少なく、適度な 混合比にするためには燃料の量を少なくしないといけません。

 この開度では、ニードルジェット(筒)の中にジェットニードル(針)を出し入れするこで燃料流量を調整しています。

 また、ジェットニードル(針)の上部に付いている、Eリングの位置を調節 する事により、燃料流量を調節出来ます。

○メインジェット

 スロットル開度が1/2〜全開に作用します。番数を上げることによって口径が大きくなり、混合ガスが濃くなります。

 全開度域では、ベンチュリー内の流速も速く、流量も多くなります。調整はメインジェットで行います。

(スロットル開度が1/2〜全開までとなっていますが、実際にはかなり広範囲に影響を与えます。メインジェットの番数を変更することで、低速域も調整が必要になることがあります)

 

■環境によるセッティング傾向

環境
混合気
セッティング変更

◇寒い時

 薄くなる

 濃くする

◇暖かい時  濃くなる  薄くする
◇乾燥時  薄くなる  濃くする
◇多湿時  濃くなる  薄くする
◇高地  濃くなる  薄くする

 

■現象によるセッティング法

現 象
セッティング方法
備 考

・スロットル全開で混合気が薄い

 −息ツキを起こす
 −キリキリ音がする
 −プラグが白色
 −伸びは十分にある
 −回転上昇が鈍い

●メインジェットの番数を上げる。

 プラグの焼け具合が薄い、褐色なら良好

●インシュレータから二次空気を吸っていないか。

・スロットル全開で混合気が濃い

 −頭打ちが早い
 −伸びがない
 −フケ上がりが遅い
 −パワー不足
 −プラグが黒い

●メインジェットの番数を下げる

 プラグの焼け具合、およびピストン頭部の焼け具合を見て判断する。

●オーバーフローしていないか。またはチョークが確実に戻っているか。

・スロットル開度1/4〜1/2の間 で息ツキ失速を起こす。

 −トルク感なし
 −ストール感あり

●ジェットニードルクリップ段数を一段下げて濃くする。

 

・スロットル開度1/4〜1/2の間 でもたつき、またはついてこない

●ジェットニードルクリップ段数を一段”上” げて”薄く”する。

 

・スロットル開度0〜1/4の間で息ツキ、加速が悪い

●ジェットニードルストレート径を細くして濃くする。
●エアスクリューを絞め込んで濃くする。

 

・スロットル開度0〜1/4の間でもたつき、またはついてこない

●ジェットニードルストレート径を太くして薄くする。
●エアスクリューを戻して薄くする。●上記効果が薄い場合、スロージェットを小さくする。

●雨天時に出やすい。

・低回転が不安定キリキリ音がする、またはレスポンスが悪い

●エアスクリューを絞め込んで濃くする。
●ジェットニードルストレート径を細くして濃くする。

●インシュレータから二次空気を吸っていないか。

・低回度にて回転上昇がギクシャクする、または振動を伴う

● ジェットニードルストレート径を太くして 薄くする。  

・スロットル急開度のレスポンが悪い

●エアスクリューを戻して薄くする。●全体的にセッティングを確認する。●エアスクリューを絞め込んで濃くする。
●ジェットニードルリップ段数を1段下げて 濃くする。

●インシュレータから二次空気を吸っていないか。

 

■セッティングの手順

 キャブレターセッティングパーツのそれぞれの持つ役割と、担当開度はかなりオーバーラップ
しています。お互いのセッティングパーツのバランスをまとめ、谷間のないスムーズなセッティングを
目指しましょう。

@ まずキットの標準セッティングのまま暖気をします。アイドリングの回転数が1500〜2000回転に収まるように、アイドリングスクリューを回して調整を行います。
 (混合気が薄い状態で長時間暖気を行うと焼き付きを起こす場合があります)
A  エアークリューをキット標準設定から少しずつ左右どちらかに回していき、エンジン回転数が一番高くなる場所を探します。さらにこの状態でアクセルをスナップさせて、一番レスポンの良くなる位置にエアスクリューを調整します。途中アイドリングの回転数が(上がりor下がり)過ぎるようであれば、アイドリングスクリューを回して調整を行います。
(エアスクリューを左回し(反時計回り)に開いていくことで、混合ガスは薄い方向へ変化します。キット標準設定が分からない場合は、戻し1回転ぐらいから始めます)
B  この時点でエアスクリューが、全閉まで締めた状態から戻し量1/2回転以下になるようであれば、スロージェットの番数を一つ上げて混合ガスを濃くします。また戻し量が2回転以上になる場合は、スロージェットの番数を一つ下げてガスを薄くします。スロージェットを交換したら、再度Aに戻って調節を行います。
C

 スロー系のセッティングの次は、低中開度のセッティングに移ります。アクセルを中開度まで開けてモタつきやバラつきなくスムーズに回転が上昇するか確認し、スムーズでない場合はジェットニードル/ニードルジェット、カットアウェイ(スローバルブ)等の調整を行います。

 なお、調整は必ず濃い番号の物から始め、一番ずつ薄い物へと移行させるのが鉄則です。

D

 実走行に移ります。各セッティングパーツの影響するスロットル開度を考慮に入れた上でセッティングを進めます。

 なお、セッティングの目安としてプラグの焼き色を見ますが、これはプラグの焼け具合が良ければ混合ガスの燃焼状態がよいこと、つまり燃料の混合比が適切であるといえるからです。

E

 メインジェットを交換し中高開度の選択をすると、再び低中開度域でのセッティングが狂う場合があります。低開度から全開まで、谷間のないスムーズなフィーリングになるようにトライしましょう。

 

■プラグの状態によるセッティング

※必ずプラグの確認は、セッティングの最終段階で行って下さい。十分なセッティングが出ていない
状態で確認すると判断ミスを起こします。

現 象
対 策
・発火部全体が黒くしめっている。

 混合ガスが濃くガスで塗れたままなので、電気が逃げて失火しやすい状態(かぶり)です。メインジェットの番数を下げて下さい。 

・絶縁体がキツネ色に焼け、発火部全体に汚れの付着が少ない。

 適正な燃焼状態です。汚れも焼けて飛び散りプラグは清潔な状態で寿命も延びます。

・電極が焼け、青みがかった黒(酸化)になり、絶縁体が白い光沢を持ち、付着したデポジットが斑点状に付着している。

 混合ガスが薄いので、プレイグニッション(早期着火)やデトネーション(異常高速火炎伝播によるピストンヘッド溶解)を起こします。直ちにメインジェットの番数を上げて下さい。                          

 

■最後に

 キャブセッティングの基本について、長々と書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
初めての方だと意味が分からなかった内容もあるかと思います。ここに書いた内容は、キャブが
変わっても共通なので、まずは基本としてしっかり覚えてください。

 最初はキャブセッティングがなかなか決まらず、迷うこともあると思いますが、こればかりは
経験です。色々試して迷ったら、経験者に意見を求めたり、セッティングが取れている他のバイクに
乗ってみるのもいいと思います。焦らずに、じっくりとセッティングを楽しんでください。

 その他、具体的なキャブセッティングの手順については、下記でも解説しています。

 キャブレターのセッティング手順(VM26)

 キャブ(VM26)の中低速セッティングのコツ


 

■キャブレターのセッティング手順(VM26)

 

作業時間

必要部品代
不明(掛かる場合は何日も必要)
24,000円〜(キャブ代)

効 果

必要工具

 エンジン特性の変化、トルクアップや最高出力の向上など。キャブレターの選択、セッティングによって様々なフィーリングを出すことができます。

 ・ソケットレンチセット
 ・ドライバーセット(プラス、マイナス両方)
 ・六角レンチセット(キャブによって必要)
 ・ラジオペンチ(出来ればあった方が便利)

 ここでは、武川のVM26を使ったセッティングの手順について解説します。キャブレターの基礎に
ついてはキャブレターセッティングの基本を参照して下さい。

 一般的にVM26はモンキー用に発売されているキャブレターの中では、セッティングの出しやすいキャブと言われています。このキャブキットは、武川とキタコから発売されていますが、メーカーによって内部パーツのセッティングが異なります。その為、武川とキタコではかなりメインジェットの番号が変わってきますので注意して下さい。

 今回、取り付けについて解説していませんが、VM26はかなり大型のキャブなので取り回しに苦労します。私の場合、エアフィルターを納める為にフレームの未使用部分を一部切断しています。

 これは組み込んだパーツによって違ってくるとは思いますが、左出しと右出しの両方のキットが
販売されていますので、事前によく確認してから購入して下さい。
 それとVM26はマフラーの排圧特性の影響を強く受けるキャブです。排気量が上がっても
ほとんどメインジェットの番号が変更にならない不思議なキャブなので、正しいセッティングを
出すには、まず良いマフラーを選ぶことが大切になってきます。

 あと、キャブのセッティングにはタコメーターが必要です。経験豊富な方は、無くてもある程度
セッティングできますが、初めての方には無理ですので必ず装着して下さい。

■補足(ガスの薄いor濃い場合の症状について)

 下の解説で、ガスが「薄い」or「濃い」場合のエンジンの回り方を「息継ぎを起こす」とか、
「かぶる」「音が重い」などと表現していますが、これについて少し補足します。

ガスが薄い場合の症状

 エンジン音は軽い感じになります。回転数の上昇に対してトルクが付いてきません。回転上昇中に息継ぎを起こしたり、失速することがあります。
 息継ぎの感じを表現することは難しいですが、私の感覚では「カス、カス」と聞こえます。

ガスが濃い場合の症状

 エンジン音は重い感じになります。回転の上昇が鈍く、アクセル開度に対して後から「じわ〜」とエンジンの回転が付いてくるような感じになります。
 ガスが濃すぎると「かぶる」と言われる症状が発生して、プラグが失火します。音は「ゴボゴボ」といった感じで、その状態で無理に走ろうとするとエンジンが掛からなくなったりします。

■セッティングの手順

 まずアクセルグリップにスロットル開度を判断する為の白い目印を入れます。目印はアクセル全閉と全開、それと中間の位置にそれぞれ印を入れます。

 印が付いたら、キャブセッティングに入るのですが、その前に正しくキャブの取り付けが出来ているかどうか、最終確認をして下さい。エアフィルターやマニホールドから二次エアーを吸ってるような状態では、まともなセッティングは出せません。

 あと、意外と見落としがちなのが、スロットルバルブの開き量です。アクセル全閉の位置でスロットルバルブが下まで降りているか、アクセル全開で上がりきっているかどうかを確認します。

 もし、バルブが上がりきっていない場合、スロットルのワイヤー巻き取り量が不足していますので、ハイスロットルへの交換が必要になります。逆にスロットルバルブが下がりきらない場合、アクセルワイヤーのインナー長が不足していますので、ケーブルの交換が必要になります。

 取り付けを確認したら、いよいよセッティングに入ります。キャブのセッティングをメーカー出荷時の状態に合わせた後、エンジンを始動して暖気を行います。

 アイドリングが安定しない場合は、アイドリングスクリューやエアースクリューを調整して、とりあえずアイドリングする状態にします。

注意 暖気は十分に行って下さい。キャブのセッティングは、エンジン温度に大きく影響を受けます。

 エンジンの暖気が十分終わったら、低回転域のセッティングに入ります。

 まずアイドリングスクリューを回して、 1500回転ぐらいでアイドリングするように調整します。

注意 アイドリングの回転数は1500回転以下に落とさないで下さい。単気筒エンジンの場合、落としすぎるとアイドリングが不安定になります。インナーローターなどフライホイールを軽量加工している方は、もう少し回転数を上げて下さい。(2000回転ぐらい)

 その状態でゆっくりとエアースクリューを回していき、一番回転数が上がるポイントを探します。

 回転数が上がったら、アイドリングスクリューで1500回転まで落とし、再度エアスクリューの調整を行います。調整した時点で、エアスクリューの戻しが2回転を超える場合は、スロージェットの番号を下げます。

 逆に戻しが1/2回転以内になるようであれば、スロージェットの番号を上げます。

 このように1500回転で安定したら、軽くアクセルをあおって、低回転域のエンジンのツキを調べます。息継ぎを起こすようであれば、少しエアスクリューを絞ります。

 大体、一番回転数が高くなるポイントから、1/4回転ぐらい締めた位置が調子が良い場合が多いです。

 次に、スロットルの(低〜中)開度までのセッティングを行います。

 タコメーターを見ながら、アクセルを中間の位置まで、ゆっくりと開けていきます。このとき、回転の上昇に息継ぎがある場合は、ニードルのクリップ位置を一段下げます。逆に回転の上昇が鈍く、排気音が重たい音がする場合はニードルのクリップ位置を一段上げます。

 ニードルを動かした場合、低回転のセッティングも変わりますので、もう一度エアースクリューの調整を行って下さい。

 スロットルの中開度までのセッティングが終わったら、今度は(中〜高)開度のセッティングに入ります。

 この開度域はメインジェットが担当しているのですが、この部分のセッティングは実走でしか出せません。

注意 排気量が上がったモンキーは、かなり速度が出ます。最高速を試す場合は、必ず安全な場所で行って下さい。

 ガスが薄い状態で連続走行をしてしまうと、エンジン温度が上昇して最悪ブローを起こす可能性があります。

 その為、メインジェットのセッティングを行う場合は、必ず濃い番号から薄い方向へ下げていきます。

 メインジェットは、キャブによっては詰め合わせキットが出ていますので、メーカーの標準番号を中心に、上下何種類か用意して下さい。(VM26の場合はバラ売りになります)私の場合、このようなケースに入れて保管しています。

 高回転のガスが濃い薄いの判断は迷うことが多いのですが、基本的に一番最高速がのびる番号を探していきます。

 エンジン音や回転数の上昇の仕方を参考にして、じっくり詰めていきましょう。

 VM26の場合、キャブの底からメインジェットを交換することができます。まずガソリンコックを閉めてから、キャブ底のネジを軽く緩めてガソリンを抜きます。

 ガソリンが抜けたら、底のネジを取り外します。キャブを横に向けると、メインジェットが見えます。

 この部分を交換することで、高回転域のガス量を調整することができます。

 メインジェットを交換することで、低回転のセッティングが狂うことがあります。この場合、また最初から調整を行います。

 ほぼセッティングが決まったら、その状態でしばらく乗ってみます。平地だけなく、山道など色々な場所を走行してエンジンの状態をチェックします。

 20〜30キロぐらい走行した後で、セッティングの最終判断としてプラグの焼け色を見ます。

 プラグの焼け色の判断については、プラグの交換を参照して下さい。この写真の状態だと、やや濃いという判断になります。

作業上の注意

注意1 セッティングは、一カ所ずつ変更することが基本です。複数の箇所を同時に変更してしまうと、正確な判断が出来なくなります。さらに、その日の気温や湿度に大きく影響を受けるので、セッティングを比較する場合は必ず同じ日に行います。(風向きによっても最高速は変わってきます)

注意2 キャブのセッティングを決める場合、マフラーの特性も大きく影響してきます。色々なHPにセッティングデーターが載っていますが、全く同じ条件の方はなかなかいないと思います。気にしすぎると失敗しますので自分を信じましょう。

注意3 人間の記憶は曖昧なものです。セッティング中、少しでも気になったことがあれば、こまめにセッティングノートを付けてみるといいと思います。書いてみることで、今まで気付かなかったことに気付くこともあります。

注意4 プラグの焼け色の判断は、セッティングの最終段階で行って下さい。初期の段階で見てしまうと判断を誤る原因となります。あと、新しいプラグは白く焼けますので、焼け色を見る場合はある程度使い込んだ物を用意して下さい。

 

キャブ(VM26)の中低速セッティングのコツ

 

作業時間

必要部品代
1日〜
(掛かる場合は何日も必要)

各種スロージェット 600円〜

効 果

必要工具

 エンジン特性の変化やトルクアップなど、セッティングを詰めることで、扱いやすい特性を作ることができます。

 ・ソケットレンチセット
 ・ドライバーセット(プラス、マイナス両方)
 ・六角レンチセット(キャブによって必要)
 ・ラジオペンチ(出来ればあった方が便利)

 モンキーやゴリラは世界で広く愛されている、カブ系エンジンを搭載したバイクです。各社から様々な
ボアアップキットが販売されているので、初めてボアアップに挑戦される方も多いかと思います。

 ボアアップを行うと、それに合わせてキャブレターのセッティングも変更することになるのですが、
経験がない入門者にはとても敷居の高い作業になります。公道でキャブレターの実走セッティングを
行う場合、まず最初に中低速域のセッティングを決めるのが基本です。 ここをしっかり行わないと
走り出してすぐにプラグをカブらせて走行不能になったり、エンジンを壊す原因となります。極端な話
中低速のセッティングがしっかり決まていれば、普通に走る分には、ほとんど問題がありません。

 難しい反面それが楽しみでもあるのですが、セッティングがなかなか決まらなくて苦痛になっては
面白くありません。ここでは一般的に扱いやすいと言われる、VM26の中低速セッティングのコツに
ついて、長年このキャブを使ってきた私の経験を含めて解説します。

 キャブレターのセッティング手順の基本については、「キャブレターセッティング(基本)」や
キャブレターセッティングの手順(VM26)」を参照してください。

■VM26の違いについて

 すでに他のページで色々書いている内容ですが、VM26は販売元のメーカーによって内部パーツの
セッティングが異なります。モンキー用として武川とキタコから販売されていますが、メーカーの違いに
よって、ジェットニードルとニードルジェットの形状が異なります。その為、初期出荷時のセッティングも
下記のような違いがあります。

項 目 武川製 キタコ製
メインジェット
190番
150番
パイロットジェット
22.5番
15番
ジェットニードルの段数
上から3段目
上から2段目
ジェットニードル
5E75
4J13
ニードルジェット
332#O-0
249#Q-0
 ※一部MAOさんのサイトより転記させていただきました。

 武川もキタコも同じメインジェットを使いますが、キタコの方が同じ番号で比べた場合、高回転域の
ガスが濃く出ます。それと中間域もキタコの方が濃くなっています。では、どちらのメーカーのキャブを
使った方がいいかですが、これは取り付けられているボアアップキットと同じメーカーに統一される
ことをお奨めします。

 私のようにメーカーの組み合わせがバラバラだと、どちらがいいとは一概に言えないのですが
もし相性が悪い場合、内部パーツを組み替えることで特性を変更することができます。
他の方のセッティングデータを参考にされる場合は、メーカーの違いに注意してください。

■取り付けについて

 これも上記のページで書いている内容ですが、VM26はマフラーの排圧特性の影響を
強く受けます。多少高くても名のあるメーカーの製品を選ばないと、後々苦労することがあります。
それとキャブを取り付けるマニホールドには、右だし、左だしがありますが、右だしにすると
干渉する箇所が多いので、左だしをお奨めします。

 あと左だしにした場合、ガソリンコックとキャブとの距離が近いので、取り出しの向きが悪いと
ガソリンホースが潰れ、高回転でガス欠の症状が出ることがあります。できれば取り出し口が
横向きになっているガソリンコックへ変更して、キャブと接続するガソリンホースの長さを
短くすると安心です。(↓写真)

 

 私の取り付け状態です。キタコのPWK用のマニホールドに武川のVM26のインシュレータという
特殊な組み合わせですが、最初108mmの長さのホースで接続しているとホースが折れて潰れて
しまったので、現在83mmまでホースを切り詰めて使っています。

■VM26のセッティング手順

 最初はメーカー出荷時の状態からセッティングを開始するのが基本ですが、武川のVM26の場合
最初に付属しているパイロットジェットが大きすぎます。これは安全マージンの為だと思われるので
#22.5番→#17.5番へ変更を行ってください。キタコの場合は、#15番のままで大丈夫です。

 VM26の場合、よほどのことがなければ、この状態で普通にエンジンが掛かります。よくセッティング
は暖機が終わった状態から始めるように言われますが、冷間時の状態も大切な判断材料です。
まだ暖まっていない状態で軽くアクセルをあおり(1/4回転ぐらい)、暖まるにつれて低〜中間域の
回転上昇がどのように変化するか様子を見ます。

 キャブの場合、エンジンが暖まるについれて気化したガソリンが少しずつ濃くなっていきます。
最初は少し薄めの状態から始まり、エンジンが暖まるにつれて調子が良くなっていくのが理想です。
エンジン始動直後から滑らかに回転が上昇する場合は、低速域が濃すぎる状態です。この場合
エアスクリューを左に回し、ガスが薄くなる方向に調整を行います。それでも調整しきれない場合は
パイロットジェットを交換したり、ニードルの高さを調整することになります。

 キャブセッティングを詰める上で、エンジンが暖機するまでの変化を観察するのは、中間域までの
セッティングには有効です。よくガスを濃くする方法として、チョークを少し引いたり、キャブレターの
吸気口を半分ふさぐように言われますが、この方法は慣れないと判断が難しいです。
濃いか、薄いか判断に迷ったときは、冷間時の状態を見る方法を思い出してください。

 ただし、このやり方には欠点があって、エンジンが冷えるのを待っていると、一日に何度も
試すことができません。じっくりセッティングに時間を掛けられる方でないと難しいかもしれません。

 エンジンの暖機が終わったらアイドリングの調整を行います。詳細は「キャブレターセッティングの
手順(VM26)
」で解説している内容ですので、ここでは省略させて頂きます。アイドリングの調整が
終わったら、アクセルグリップに付けた印を目印にして、ギヤはニュートラルのまま、じわ〜と
アクセル開度1/2回転ぐらいまで開けていきます。アクセルを開けていく途中で1万回転まで達したら
そこで止めます。このときタコメーターの針の上がり方を見ながらセッティングを確認するわけですが、
とくにアクセル開度1/4〜2/5付近の変化に注目してください。

 ガスが「濃いか」、「薄いか」の判断ですが、ハッキリ言って最初は分からない思います。ある程度
経験を積めば、アクセル開度に対する音や回転上昇の変化で分かるようになるのですが、
コレばかりは経験です。

 よくプラグの焼け色を見れば分かると言われますが、これはセッティングがほぼ決まっている
場合のみ有効です。プラグの焼け色というのは、アクセル全開域の燃焼状態を見るには
いいのですが、中低速では焼き色が付くのに時間が掛かります。それに公道では同じアクセル開度を
維持することもできないので、あまり意味がありません 。とくに空ぶかしで違和感がある状態だと
正しい判断はできません。セッティングの判断の基準ですが、文章での説明は難しいので
参考に動画を用意しました。

正しいセッティングが出ている場合(ニードルの段数:上から4段目)size 0.91MB

中間域のガスが薄い場合(ニードルの段数:上から3段目)size 1.18MB

中間域のガスが濃い場合(ニードルの段数:上から5段目)size 1.03MB

※ファイルをダウンロードしてから再生してください。

 サーバー負荷の問題もあるので、あまり大きな動画は置けないのですが、感じとしては
お分かり頂けたでしょうか?

 一般的にガスが薄い場合は息継ぎを起こすと言われますが、空ぶかしの状態だと負荷が少ないので、
よほどガスが薄くないとハッキリした症状は出ません。上の動画だと3000回転と、6000〜7000回転付近で
わずかに回転が乱れています。ガスが薄い場合の判断方法ですが、まず軽い感じの音がするのと
セッティングが出ている場合と比べて、大きめにアクセルを開けるようになります。

 逆にガスが濃い場合ですが、上の動画では8000〜9000回転付近でタコメーターの針が乱れて
頭打ちになり、それ以上回転が上がらなくなっています。ガスが濃い場合の症状としては
理想的な動画ですが、なかなかこんなに分かりやすい症状はでません。電気式のタコメーターの場合
ガスが濃すぎても、薄すぎても失火して針が乱れます。 判断のポイントですが、まず重たい感じの音が
することと、同じ回転数まで回すのに必要なアクセル開度が少なくなります。

 上記のような症状が出た場合は、ニードルのクリップ位置を変更して調整を行います。
ガスが濃い場合は、クリップの位置を一段上げ、薄い場合は逆に下げます。武川製のVM26を
使っていて、中間域を決めるとその前後が濃くなるような場合は、キタコのインナーパーツに
組み替えることで解決することもあります。私は両方のインナーパーツを使ってみましたが、
特性は武川の方が素直だと思います。武川製のVM26の場合、ニードルクリップの位置は
初期出荷の上から3段目から、あまり動かさないほうがいいようです。

 それとニードルを動かすことで低速域のレスポンが悪くなる場合は、パイロットジェットを変更する
ことで多少調整できます。ほとんどの場合、#15〜#20の範囲で収まるはずです。VM26は
セッティングの緩いキャブなので、ある程度幅を持たせた緩いセッティングが向いていると思います。

 私のエンジンは、武川のインナーパーツを使いにニードルクリップの位置を上から4段目に
設定していますが、同じセッティングの方は少ないと思います。これは私の推測なのですが
VM26は負圧の強さ、特にボアサイズによってセッティングが大きく変化しているように思います。

 よく雑誌や他の方のセッティングデータを見ていると、106ccと88ccのセッティングは、ほとんど
同じになっています。基本的に排気量が大きくなると、エンジンの負圧も増えるのですが
VM26の場合、エンジンからの負圧が増えるに従って、自然にガスも濃くなっているようです。

 私のエンジンのボアサイズはφ49.6mmという特殊なサイズなのですが、一般的な88ccの
ピストン(φ52mm)と比べると一回り小さくなります。当然負圧も小さくなるので、その分
濃いめのセッティングが必要になっていると考えています。

 エンジン周りを全て武川製で固めた場合、106ccの推奨セッティングがMJ#180番、ニードルが
上から3段目、PJ#17.5番ですが、私の96ccの場合だとMJ#190番、ニードル上から4段目、PJ#20番
となります。この考え方でいくと124ccのキットだと、さらにMJの番号が下がりそうですが、この場合は
逆に上がりMJ#190〜195番ぐらいになるようです。もしかしたら106cc以上は、バルブサイズの影響などで
一定以上負圧が変化しないのかもしれません。

 とまぁ、長々と書いたわけですが、空ぶかしで中間域のセッティングがある程度決まったら
実走セッティングに入ります。ここまでくれば普通に走る分には問題がないハズです。
じっくりと時間を掛けてメインジェットの詰めを行ってください。

 セッティングのコツについてあまり細かく書いてしまうと、逆に判断を迷わせる原因になるかもしれない
と思ったのですが、私は中途半端に物事を説明するのが嫌いなので、あえて詳しく書きました。
これでもまだ書き入れていないこともありますが、あとは実際に試して経験を積んでください。

 ぶっちゃけ、キャブセッティングなんてものは経験です。私が書いていることを全部うのみに
するのではなく、「本当にこの通りになるのか?」と疑ってもらった方がいい勉強になると思います。
色々実験して迷ったら、ここに書いてある内容を思い出して頂ければ幸いです。

 

■エンジンの降ろし方

 

作業時間

必要部品代
60分〜
特になし(別途各種工具が必要)

効 果

必要工具

 モンキーのフレームからエンジンを降ろすことで、クランクケースの分解をすることができるようになります。
 ミッションやクランクを交換する場合、必ず必要になる作業です。

 ・ソケットレンチセット
 ・10mmのスパナ
 ・ドライバーセット
 ・メンテナンススタンド

  (他でも代用できますが、あった方が楽です)
 ・ペンチ(先の細い物)
 ・スプリングフック(あった方が楽です)

 この作業は、モンキーのエンジンをクランクケースから分解するときに必ず必要になる作業です。
ヘッドやシリンダーなど、いわゆる腰上だけの交換なら降ろさなくても分解可能ですが、ゴミの進入や
作業効率を考えると、できれば降ろすことをお勧めします。

 エンジンの積み降ろしは作業工程も多く、なかなか面倒です。作業手順はモンキーの改造状況や
年式によっても変わってきます。今回の解説は私の場合ですので、みなさまのモンキーでは、
また違う部分もでてくるかと思います。

 最初はサービスマニュアルを参考にして、部品の取付位置をしっかり把握しながら作業して下さい。

 エンジンを降ろす為には、リアをジャッキアップする必要があります。スタンドに載せてしまうと不安定になるので、あらかじめ堅く締まったネジを緩めておきます。

 まずリアのアスクルシャフトを緩めます。

 そして次に意外な盲点かもしれませんが、シリンダーヘッドのタペットキャップを緩めておきます。

 この部分は熱でかなり堅くなっているので、ネジの頭をなめないように注意して下さい。エンジンを降ろしてから回そうとするとかなり苦労します。

 リアタイヤをメンテナンススタンドに載せます。

 スタンドがない場合、壁に立て掛けたり、ロープでフレームをつったりする方法もありますが、やっぱり専用スタンドが安心です。

 ただし値段がかなり高いので、どうしても難しい方は木の板を組み合わせて自作する方法もあります。自作方法についはここでは書きませんが、興味のある方は挑戦してみて下さい。

 大きなものから順番に外していきます。まずマフラーを取り外します。

 取り外し方法はマフラーによって違いがあるので、ここでは省略します。

 次にガソリンコックを閉めてから、キャブレターを取り外します。

 このままキャブがぶら下がった状態でもエンジンは降ろせますが、作業効率が悪いので今回は取り外します。

 キャブを取り外す為には、ドレインボルトからガソリンを抜いたり、アクセルワイヤーを取り外す必要があります。作業手順は省略します。

 このようにキャップ部分を残して完全に取り外してしまいます。

 雑誌などを見ているとスロットルバルブを残している場合もありますが、私はニードルを痛めたくないので取り外すことにしています。

 リアブレーキを取り外す為、リアブレーキのアジャスターナットを取り外します。

 リアブレーキのリターンスプリングとストップスイッチのスプリングを取り外します。

 ラジオペンチでも外せないことはないですが、スプリングフックがあれば簡単に外れます。持っていれば次に取り付ける時が楽ですので、できれば用意されることをお勧めします。

 エンジン底についている4本のボルトを取り外して、ステップと一体になっているサイドスタンドを取り外します。

注:サイドスタンド警告灯が付いている場合は先に配線を外しておいて下さい。

 プラグコードとクラッチワイヤーを取り外します。クラッチワイヤーは先にアソビ調整してケーブルの張りを緩めておくと外しやすいです。

 私はいつもクラッチのアームを手で押しながら力業で外しています。どうしても外れない場合は、クラッチプレートを外してクラッチ本体のアソビを調整します。

 あと、もっと先に取り外してもよかったですが、キックペダルも取り外します。

 これでクラッチ側の部品は一通り外せたので、反対側を外していきます。

 シフトペダルを取り外してから、クランクカバーを固定している3本のボルトを取り外すとカバーが外れます。

 サイドカバーを取り外してバッテリーを取り外します。

 バッテリーの先についている白い部分は、爪の部分を指で挟んで引っ張れば外れます。

 エンジンにつながっている配線のコネクターを取り外します。

 フロントスプロケットを固定する2本のボルトを外してフロントスプロケットを取り外します。

 タイヤを浮かせた状態だとスプロケットが回転してしまうので、1速にギヤを入れておくと簡単に回せます。

(解説はクラッチ側から分解してしまいましたが、メンテナンススタンドに載せる前に、クランクカバー側を分解した方がよかったかもしれません)

 フロントスプロケットを取り外した状態です。チェーンの張りが強すぎて外せない場合はチェーンアジャスターを緩めます。

 垂れたチェーンが汚れないように、下に何か布を敷いておきます。

 今回はクランクケースまで分解するので、エンジンオイルを抜いておきます。

 ここまでくれば、あと少しです。エンジンを固定している2本のボルトを外すとエンジンが降ろせます。

 いきなり両方は無理なので、まず下側のボルトを先に外します。その後、手でエンジンを落とさないように押さえながら、ゆっくりとボルトを抜いていきます。

注:エンジンはかなり重いです。一人でする場合は力業になるので、初めての方は二人で作業することをお勧めします。

 これでようやくエンジンが降ろせました。エンジンは意外と安定が悪いので、地面に置くときには倒れないよう注意して下さい。

 せっかく降ろしたので、後の作業のことを考えてエンジンを洗っておきましょう。そうすれば分解の時に、よけいなゴミの進入を防げます。(洗うときには中に水が入らないよう十分注意して下さい)

作業上の注意

 いざエンジンを降ろすとなると、様々な工具が必要になります。分解の途中で工具を買いに走るのは大変ですので、予め必要な工具を十分確認をしておきましょう。初めてエンジンを降ろされる方は、じっくりと時間を掛けて作業されることをお勧めします。

 あと私のようにマンションの自転車置き場で作業するのは正直厳しいです。分解したまま2〜3日放置しても問題ない場所を確保しましょう。(これが一番難しいかも)

 

■腰上(ヘッド周り)の分解方法

 

作業時間

必要部品代
30分〜
特になし(別途各種工具が必要)

効 果

必要工具

 エンジンをボアアップするときに必要になる作業です。

 ・ソケットレンチセット
 ・10mmのスパナ
 ・ドライバーセット
 ・六角棒レンチ(ヘキサゴンレンチ)
 ・ラジオペンチ
 ・スクレーパー
 ・プラスチックハンマー


 エンジンの分解作業です。今回はエンジンを降ろした状態で作業していますが、ヘッド周りの分解だけなら降ろす必要はありません。フロントタイヤの空気を抜いてタイヤを潰し、フロントフェンダーをずらせば、フレームに積んだ状態でも作業することは可能です。
注 (汚れやホコリなどゴミが進入する可能性が高いので、できれば降ろすことをお勧めします)

 エンジンの降ろし方については、「エンジンの降ろし方」を参照して下さい。

 腰上の分解だけならそんなに難しい作業ではありませんが、次につながる大切な行程なので
確実に作業しましょう。

 エンジンをエンジンスタンドなど何かに載せて作業をしやすい状態にします。

 私の場合はあまりいい方法ではありませんが、部屋の中の作業なのでオイルが垂れないようにケースの中で分解しています。ちゃんとした作業用の倉庫が欲しいです・・・。 (^^;

 それでは分解作業に入ります。まずヘッドの赤い○を付けた3箇所のボルトを取り外します。

 真ん中のボルトだけ反対側につながっているので、かなり長くなっています。

 ネジが外れたらヘッドのサイドカバーを取り外します。ここはオイルが潤滑している部分なので、引っ張れば簡単に外れると思います。

 私のヘッドは6Vタイプのものなので、カムの軸受け周りの形状が12Vとは違いますが、作業手順は同じです。

 後からでもできる作業ですが、スクレーパーを使って古いガスケットを取り除いておきます。

 ここから後では省略していますが、ヘッドを使い回す予定の方は、要所要所でガスケットを取りながら作業すると後が楽です。

(この作業はヘッドを使い回さない方には関係がありません)

 反対側のカバーを取り外します。ここも比較的簡単に外れると思います。

 カムを取り外す前の準備としてヘッドの上死点を合わせておきます。写真のようにフライホイールのTのマークをケースの切り書きと合わせます。

 写真はありませんが、この状態でヘッドのカムスプロケットの○印が切り書きと合うことを確認します。合わない場合はカムがバルブを押している状態ですので、クランクをもう一回転させます。

 ヘッドの上下に付いているタペットキャップを外します。この後、ヘッドを固定している4箇所のナットを外してヘッドーカバーを取り外します。

 写真では分かりませんが、ヘッド正面から見て左下だけ銅ナットが使われています。必ず元の位置を覚えておいて下さい。

 ヘッドカバーの固着が酷い場合は、プラスチックハンマーなどで痛めないように慎重に叩きながら外して下さい。

 カムを取り外す為に上下のタペットを緩めます。

 12Vのノーマルカムであれば、そのまま外せないこともないですが、6Vタイプの場合は、タペットを緩めておかないとカムが外れません。

 カムスプロケットをカムに固定しているボルトを外して、カムスプロケットを取り外します。

 6Vタイプのカムは3本のボルトで固定していますが、12Vタイプは2本になります

 反対側から押してカムを取り外します。途中で引っかかった場合は、軽く左右に回しながら押してやると取れます。

 私のモンキーは6Vタイプのカムなので、軸受けにベアリングが付いていません。

 ヘッドを根本で固定しているボルトを取り外します。これでヘッドが外れる状態になります。

 引っ張ってヘッドを取り外します。固着して外れない場合は、プラスチックハンマーで軽く叩くと外れやすくなります。

 これは補足になりますが、ボアアップキットでロッカーアームを使い回す方は、このようにボルトを引っかけて引っ張れば外れます。

 シリンダー横に付いている、カムチェーンのガイドローラーを固定しているボルトを外してガイドローラーを取り外します。

 シリンダーを根本で固定しているボルトを外して、シリンダーを引っ張って外します。

 ラジオペンチを使ってピストンピンを固定しているクリップを取り外します。

 この部分はかなり固いのでピストンにキズを入れたり、飛ばさないように注意して下さい。不安な方はクランクケースの穴を何かで塞いでおくことをお勧めします。

 ピストンピンの固定用のクリップは両サイドに付いていますが、片側だけ外せばピストンピンを取り外せます。

 ピンが固くて手で押しても外れない場合は、割り箸など柔らかいもので反対側から押してやると外れます。

 ピストンピンが外れれば後は簡単にピストンが取れます。

 お疲れ様でした。これでヘッド周りの分解作業は完了です。

作業上の注意

 初めて開けるエンジンの場合、熱によってガスケットが固着してしまいなかなか外れません。外れないからといって焦らず、時間を掛けてゆっくり作業しましょう。できるだけ部品は叩かないことが理想ですが、どうしても外れない場合はプラスチックハンマーで叩く場所を考えながら慎重に作業して下さい。強度のない場所を叩いてしまうと、部品が欠けてしまうことがあります。

 

■クラッチ周りの分解方法

 

作業時間

必要部品代
20分〜
特になし(別途各種工具が必要)

効 果

必要工具

 クラッチやオイルポンプを強化する時に必要になる作業です。

 ・ソケットレンチセット
 ・ロックナットレンチ
 ・ドライバーセット
 ・インパクトドライバー
 ・ローターホルダー
 ・スクレーパー
 ・プラスチックハンマー
 ・ハンマー(重めのもの)
 ・サークリッププライヤー


 クラッチ側の分解作業です。今回はエンジンを降ろした状態で作業していますが、クラッチ側の分解だけならフレームに積んだ状態でも作業することは可能です。(作業の為にメンテナンススタンドが必要になります)

 エンジンの降ろし方については、「エンジンの降ろし方」を参照して下さい。

 今回は全体の大まかな流れについての解説がメインですので、強化スプリングの組み込みなどクラッチ本体の分解作業については書いていません。

クラッチ本体の分解方法については、別途説明していきますのでご了承下さい。

 まずクラッチカバーを固定している8本のボルトを外してクラッチカバーと取り外します。

 クラッチカバーが固着して外れない場合はプラスチックハンマーで軽く叩きます。

 クラッチカバーを取り外したところです。クラッチカバーの合わせに使っているノックピンを再利用される方は、無くさないように注意しましょう。(できれば新品を使うことをお勧めします)

 後で作業してもいいですが、ついでなのでスクレーパーを使ってガスケットの剥がし残しをキレイに掃除しておきます。

 私のエンジンは何回も分解しているので簡単にガスケットを剥がせますが、初めて分解するエンジンだと時間が掛かると思います。

 クラッチ本体のカバーを固定している4本のネジをインパクトドライバーを使って外します。

 この部分はかなり堅く締まっているので、インパクトドライバー無しではかなり難しいです。ネジの頭をなめてしまうと後が大変ですので、慎重に作業しましょう。

※インパクトドライバーを使うときは、重めのハンマーを用意しましょう。

 カバーを外したら、クラッチをセンターで固定しているロックナットを外すのですが、まずナットの回り止めのツメをマイナスドライバーを使って起こします。

 クラッチ本体をローターホルダーで固定してからロックナットレンチで回すのが正しい手順ですが、この部分は相当堅く締まっているので、インパクトレンチがないとまず回りません。

 私も写真のように普通のラジェットで挑戦してみましたが、やっぱり無理でした。(^^;

 インパクトレンチが無い場合は、あまりお勧めではないですが、タガネやマイナスドライバーを使って、ハンマーで叩いて回します。

 この方法で回すとロックナットに傷が付くので、痛みが酷い場合は新品を用意してください。

 ロックナットが外れれば、後は引っ張れば簡単にクラッチが外れます。

 クラッチ周りは部品点数が多いので、部品の位置をしっかり把握しながら作業しましょう。

 プライマリードリブンギヤを固定するサークリップをサークリッププライヤーを使って取り外します。

 お疲れ様でした。これでクラッチ側の分解作業は終わりです。写真ではオイルポンプも外していますが、オイルポンプの交換手順については別途解説します。

作業上の注意

 クラッチ周りの分解は、インパクトドライバーを使いこなせるかどうかで大きく明暗を分けます。初めてインパクトドライバーを使う方は、他のネジで十分練習してから挑んで下さい。コツとしては重めのハンマーで叩いた方が楽に回ります。

 ちなみにあまり重いハンマーだと部品を傷めてしまう恐れがあるので、具体的な重さは書きたくないのですが、私のお気に入りは1キロです。これぐらい重いと回せないネジはほとんどありません。ただし叩き方には十分注意してください。

 

■強化オイルポンプへの交換

 

作業時間

必要部品代
20分〜
(オイルポンプ交換作業のみ)
2,000〜5,000円
(別途各種工具が必要)

効 果

必要工具

 ヘッド周りへのオイル排出量を増やすことで冷却効果を高め、ボアアップしたエンジンの耐久性を確保します。

 ・ドライバーセット
 ・インパクトドライバー
 ・ハンマー (重めのもの)
 ・プラスチックハンマー

   (できればあった方が楽です)
 ・10mmのスパナ×2本
 ・電動ドリル

 強化オイルポンプへの交換作業です。交換する為にはヘッド側とクラッチ側の分解作業が必要に
なります。ですから、普通エンジンをボアアップしたときに一緒にする作業になります。

 オイルポンプの強化に合わせてオフィリスの拡大加工が指示されていると思いますが、この作業は必ず行ってください。結構勘違いされている方が多いのですが、オイルポンプの強化だけしても、オフィリス穴の拡大加工を行わないとオイルの流量は増えません。

 オイルポンプの強化だけの場合、低回転ではオイルの油圧が早く上がるようになって流量が増えるのですが、肝心の高回転時に油圧が上がり過ぎて一定以上オイルが送れなくなります。かえってエンジンの負担になるだけですので注意して下さい。

 あと、オリフィスは必要以上に拡大してもいけません。低回転域で油圧が下がりすぎて
オイル切れを起こす原因となります。かならず指定値を守って下さい。

 ここではオイルポンプの交換作業だけを書いていますので、エンジンの分解手順については
腰上(ヘッド周り)の分解方法」「クラッチ周りの分解方法」を参照して下さい。

 まずオイルポンプを固定している3本のネジをインパクトドライバーで回します。

 かなり堅く締まっているので、ネジの頭をナメないように十分注意して下さい。

※インパクトドライバーを使うときは、重めのハンマーを用意しましょう。

 ネジを取り外して引っ張ればオイルポンプが外れます。外れにくい場合はプラスチックハンマーで軽く叩けば外しやすくなります。

 オイルポンプのガスケットはオイルが浸透している部分なので簡単に剥がせると思います。

 後でもできることですが、せっかく分解したついでなので、オイルフィルターも外して掃除します。オリフィスの拡大加工で切りくずがたまる可能性がありますので、フィルターを元に戻すのはケースを洗浄した後にしましょう。

 オイルポンプを強化タイプに交換する場合、必ずオリフィス穴を拡大することになります。電動ドリルで穴を開けるときに、ヘッド正面から見て左下ののスタッドボルトが邪魔になるので、ダブルナットで取り外します。

 写真のように2個のナットを2本のスパナを使って、互いに逆方向に回して固定します。

 ナットが回らないように固定できたらスパナを使って左に回せば簡単にスタッドボルトが外れます。

 スタッドボルトを取り外した状態です。スタッドボルトの穴の左下にある小さな穴がオイルが通るオリフィスの穴です。

 オイルポンプを交換した場合、この部分を拡大するように指示されます。

 最近では取り付けるオイルポンプのキットによって、最初からドリルの刃がセットになっています。私のキットには付いていなかったので、メーカー指定値の2mmのドリルの刃を用意しました。

 オイルポンプによって推奨値が違いますので、事前によく確認しましょう。

 クランクケースの中に切りくずが入らないように、穴をしっかり塞いでから電動ドリルでオリフィスの穴を広げます。

 アルミは柔らかいので穴を広げるのは一瞬で終わります。やり直しはできないので精神統一して一発で決めましょう。

 穴が空いたら切りくずの洗浄を行います。切りくずが残ってしまうとトラブルの原因となる可能性があるので、洗い油などで念入りに掃除します。

 スタッドボルトを元通りに戻して、新しいガスケットをつけから、強化オイルポンプを組み付けます。念のためオイルポンプが正しく回っているか、オイルポンプシャフトを回転させて確認しておきましょう。

 オイルフィルターを元に戻して、これで完成です。

標準締め付けトルク
(1.0kg-m)

作業上の注意

 オイルポンプを固定しているネジはかなり堅く締まっているので、インパクトドライバーを使うことをお勧めします。インパクトドライバーを叩く時には、他の部分に傷が入らないように十分に注意して安定のよい場所で作業しましょう。

 
 
 
 
 オーバーサイズ・メインジェットSET 形状タイプ別価格一覧|大野モータース
 
Q2. スプロケットを変えると、どぉなるの?
A1.スプロケットって何?ってところから一応説明しましょう。
チェーンがかかっている歯車(ギア)そぉですRタイヤに取り付けられている「あれ」です。チェーンを辿るとエンジン側にも付いています。
カタログにある1次減速比&2次減速比ってやつでエンジンのパワーをタイヤに伝えるための速度が決まります。
エンジン回転
ミッション
スプロケット
タイヤ
エンジンの中に入っているミッションが「1次減速」これはギアをチェンジ(シフト)する事で変化します。ちなみに1速2速3速…とギア比(減速比)の数字が大きく変化しない物を俗に『クロス・ミッション』正確には『クロスレシオ・ミッション』と呼んでいます。
(滑らか&細かなチェンジ走行を可能にする)

続いて今回話題にするのが『スプロケット』
これが『2次減速比』このギアの歯数から割り出した数字です。この2つの減速比を合わせた物を「最終減速比」エンジンの回転数をスピードに変えるための数字です。

★どぉ〜すれば、どぉ〜なるか?
まず変速機付き(5段変速)の自転車をイメージして下さい。
発進&上り坂の時は1速が走りやすいですよね。ただし幾らペダルを速く回しても最高速には限度があります。(マッハの速さで漕げるなら別ですが…笑)
では5速ならどうか?確かにペダルを死ぬほど漕がなくても1速で走るより格段に速く走れます。ただし5速で発進や上り坂にチャレンジするのは相当「気合&根性」が必要です。
変速する=減速比を変える
○減速比を大きくするとトルクアップ(加速)ただし最高速・減
○小さくすると最高速アップ ただしトルク(加速力)・減
どちらか一方の選択になります。
○ツーリング・燃費重視&最高速重視または「出足の加速は十分すぎる…」とエンジンのパワーを余している人は減速比を小さく。
○ゼロヨン&信号ダッシュ&加速重視または非力なエンジンで大荷物を運ぶ場合は減速比を大きくします。
ミッションを現行の物から設定変更するにはエンジンの分解&高いパーツ代が掛かりますが、スプロケットならサンデー&青空メカニックで手軽に出来ます!
スプロケットは消耗品なので交換時期に試してみては?

設定の仕方
●歯数の設定はノーマルまたは現在取り付けられているものから減速比から割り出します
Rスプロケットの歯数
(タイヤ側)
÷
Fスプロケットの歯数
(エンジン側)
減速比
計算をしてみると分かりますが、Fを1枚変えるのとRを3枚変えるのと同じくらいの比率になるはず。
どちらをセッティングするのかは自由ですが、FとRではチェーンの長さが大きく変わるのでその辺も考慮してみてください。ちなみにフロントを変える場合はチェーン調整だけで終わる場合が多いです。
価格も社外品でRの3分の1程度なので試してみるなら、ここから始めるのがお奨め!
リアの場合はホイールの脱着作業&場合によってはチェーンの交換が必要です。
(目立つ部分なのでドレスアップを兼ねてやる人も多いです)
●チェーンの長さについては下記にアクセスしてみてください。
(当店HP・スプロケット編に貼ってあるんですけど…)
長めの物を用意して、カットして使うのが一般的です。
●スプロケットも大事だけどチェーンとワンセットって事お忘れなく!
メンテナンスを怠ると折角のパーツが台無しデース(寿命も短くなるよぉ〜)

おまけ
チェーンのリンク数を求める式(スピードがどぉ変化するか迄出ます)
http://www.afam.co.jp/chain/CHAINLINK2.xls
(※お使いのコンピュータにExcel 97以降が入ってないと表示されません)